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建通新聞社(静岡)
2022/09/21

【静岡】盛土条例で初の許可 掛川市内の倉庫建設

 7月1日に施行された静岡県の盛土条例に基づき、掛川市内で大型倉庫を建設する事業者が初めての許可を取得していたことが分かった。盛土条例では、県内全域を対象に土量1000立方b以上か、面積1000平方b以上の盛土造成に対し、県知事の許可を取得することを求めている。県は、施行から8月末までの2カ月間で、今回許可した1件を含む6件の許可申請を受け付けている。
 盛土条例に基づく許可を取得したのは、物流不動産会社のシーアールイー(東京都港区)。同社が掛川市高御所に建設する「ロジスクエア掛川」(施工・鈴与建設)では、面積8981平方b、土量8234立方bの盛土が計画されており、土量・面積のいずれも条例で許可を求めている盛土に該当した。
 昨年7月の熱海市土石流災害を教訓として、県は従来の届出制を許可制に見直した盛土条例を制定。条例に基づき、都市計画法や森林法が適用されない盛土の構造基準や、土砂の汚染を防止するための土砂基準を定め、これらの基準を満たすことを許可の要件としている。盛土の許可を取得するためには、土地所有者の同意を得たり、許可申請の30日前までに住民説明会を開くことも求められる。
 条例では、許可の取得後も搬入された土砂の汚染状況の確認が必要。土砂基準に適合しない土砂が搬入されないよう、土砂の搬出元が作成する「土砂等発生元証明書」を確認しないと、土砂を受け入れて盛土を施工することができない。
 施工中も、水質調査と土壌調査を6カ月ごとに行ったり、搬入された土砂量を年2回(4月・10月)報告することが必要。土砂管理台帳を作成するとともに、作成した台帳を工事完了後5年間保存することも求められる。
 盛土条例には経過措置が設けられ、7月1日の施行日時点ですでに施工していた盛土には23年4月1日まで許可の取得が猶予される。条例で盛土とみなされ、条例施行時点で稼働していた残土処分場などにはこの経過措置が適用され、23年3月末までは許可を取得しなくても引き続き処分場を営業できる。