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建設経済新聞社
2022/09/26

【京都】新文化ホールの施設整備方針案 建設地選定で要件案示す

 福知山市は、新文化ホール整備基本構想・基本計画検討委員会に新文化ホールの基本理念案や施設整備方針案などを示した。
 21日開催の第3回検討委に示した基本理念案によると、「人をつなぐ、分野をつなぐ、時をつなぐ〜新たな福知山の魅力を築く文化振興・未来創造拠点〜」と設定。
 施設整備方針案では、必要な機能として@ホール機能(ホール)A創造活動機能(練習・発表、リハーサル、展示、会議)B交流機能(ロビー・市民交流、子どもサポート・情報、飲食物販・市民活動支援)C管理運営機能(管理運営)D防災機能の5つに整理。
 @ホール機能については▽音楽をはじめとした舞台芸術等に対応する多機能ホール▽収容人数は500人〜800人程度を想定▽客席は固定席か平土間ホールの可動席か検討等。A創造活動機能は▽市民の日常的な創造・発表活動を支える機能▽防音性能を備えたスペース、絵画や華道、書道等の作品を展示することができるスペース、その他研修や会議等に対応するスペースなどの配置を検討▽小規模な発表に対応できるスペースを検討。B交流機能は▽明るいロビーや市民の憩いの場となる交流スペース、子どもが遊んだり親子でくつろげるスペース、市の文化・観光に触れることができる情報スペース、飲食や物販のためのスペース、自由に使えるベンチやテーブル、施設の利用等様々な活動をする市民をサポートするためのスペースの設置を検討▽インターネット環境(Wi−Fi)の整備を検討。C管理運営機能は▽総合案内や諸室貸出の管理を行う管理事務スペースを設ける▽市民の利用相談を受けるスペースや活動者同士をつなぐ機能、市民団体等の利用を想定した打合せスペースなどの配置を検討。D防災機能について、新文化ホールは防災機能を備えたものとする。
 施設全体、諸室の配置・室数等、具体的な施設規模は、建設地も含めて基本計画で検討する。諸室や空間は様々な使い方に対応できる多機能なものとすることで稼働率を高めるとともに、面積を抑えながらも多様な市民のニーズに対応できることを目指す。
 駐車場は、敷地の立地や広さにあわせて最大限の駐車場台数を確保することを目指す。敷地周辺に公共施設駐車場や時間貸し駐車場がある場合は連携等を検討する。
 施設配置は、敷地形状や立地条件を踏まえ、歩行者や車利用者、出演者、搬入車両が極力交錯せず、それぞれが安全に来館できる動線に配慮した配置とする。建物内は、ホールの観客、出演者、主催者、搬出入、その他の施設利用者等の動線に配慮し、明確なゾーニングを検討する。またホール建物による日影、搬入大型車両やバス、来場者の自家用車や人の集中による騒音・振動等の影響を極力抑えるような配置を検討する。
 上記に加え、今後の施設整備における配慮事項として、@安全性(地震や水害等の自然災害に対する強度、避難所機能など)A利便性、快適性(ユニバーサルデザイン、バリアフリーなど)B経済性、効率性(建設費、維持管理費の抑制)C環境共生(ゼロエネルギー、自然エネルギーの活用など)Dまちづくり(まちの資源との連携による地域の魅力向上など)を挙げた。
 建設地要件案も示した。市の財政状況及び整備スケジュール等を勘案し、現有市有財産を活用する方針。要件案の項目は、立地が@用途地域(劇場(興行場)が建設可能な用途か(商業地域、近隣商業地域、準工業地域であれば可))A来場者アクセス(最寄り駅等からの距離・歩行環境は整っているか、鉄道・バス等公共交通の利用可能路線数および運行頻度は十分か)B周辺環境(飲食商業、観光施設等と連携し市街地活性化に寄与できるか、教育文化・集会施設、公園等と連携し文化・レクリエーションエリア等の拠点形成に寄与できるか、公共駐車場や時間貸し駐車場が立地するか、ホール来場者の集中、搬入車両の通行等による影響はないか)C政策との整合性(都市計画マスタープラン等による位置づけ等の整合が取れるか)の4項目、敷地が@規模・形状(求められる機能・諸室が無理なく配置できるか)A建物高さ制限(道路斜線、隣地斜線、高度地区、日影規制等による建物高さ制限に抵触しないか)B前面道路状況(催事の際の搬出入が容易にできるか)Cその他(支持地盤深さ、液状化の可能性の有無、自然災害の危険性の有無)の4項目。
 管理運営については直営と指定管理者による運営など、ふさわしい管理運営主体のあり方を今後検討するとした。
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 福知山市厚生会館(福知山市字中ノ(西中ノ町)170−5の敷地2964u/RC造地下1階地上3階建、延3763u(建築面積2170u)、客席数1002席(稼働696席、固定306席))は、昭和37年の建設から60年、平成13年の大規模改修からも21年を経過し、建物と設備の老朽化が進み、また多様化する市民ニーズへの対応も課題となる中、新たな文化ホールの整備のための基本構想・基本計画の策定に向け、令和4年7月から検討に入った。
 令和4年度当初予算には新文化ホール計画策定事業費1335万4000円を確保。公募型プロポーザル方式の福知山市新文化ホール整備基本構想・基本計画策定支援業務については、シアターワークショップ(東京都渋谷区)を候補者に選定した。