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建設新聞社(長崎)
2022/10/04

【長崎】針尾送信所の保存調査に着手 建設当時の関係者の情報提供も求む

佐世保市文化財課
   保存工事は調査後に検討

 佐世保市文化財は、国指定重要文化財である『旧佐世保無線電信所(針尾送信所)施設』の適切な保存を目的に、今後予定している保存工事のための事前調査に着手する。

 2022年度から26年度まで、耐震診断、学術的構造調査、現況図面と構造図作成などの事前調査を行い、長期保存に向けた対策を見出す方針だ。対象建造物が重要文化財で特殊なため、文化財保存修理業者へ委託する予定だ。

 保存に向けた取り組みは、14年度に『旧佐世保無線電信所(針尾送信所)施設整備検討委員会』を設立し、同施設の保存活用計画を策定。15年度から20年度に敷地内の通路、門衛所、駐車場などを整備した。敷地内には、無線塔のほか、電信室、油庫、見張所などがある。これら建造物一つ一つの仕様調査や耐震診断を実施。メンテナンスの必要性を検証し、必要と判断された場合には保存対策工事について検討し、保存工事を行う予定。

 市は10年度に耐震診断を委託し、10年間は崩壊・せん断しないと診断された。

 針尾送信所は22年で建設100年を迎える。今秋に”記念シンポジウム”や”ワークショップ土木のイロハ”などのイベントを開催する予定。

“瀬良建築”の情報提供を
   針尾送信所建設当時の関係者を調査

 佐世保市教育委員会文化財課では、針尾送信所建設当時の関係者について調べている。針尾送信所建設

 その手掛かりとして、建設中に撮影した関係者の集合写真がある。前列中央右側の人物が”瀬良建築”と書かれた作業服を着ている。市は、この瀬良建築について幅広く情報提供を求めている。

 この写真は、後列中央に写る海軍佐世保鎮守府建築科の吉田直(のぶる)技師(東京都出身)の親族から寄贈された。当時、吉田技師が送信所建設の設計を担当した。

 針尾送信所は1917〜22年に建設され、今年で100年を迎える。

 【連絡・問い合わせ】佐世保市教育委員会文化財課(担当:松尾) 電話0956(24)1111(内線3137)
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