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建設新聞社
2022/10/05

【東北・福島】日揮、かもめミライ水産が浪江町に陸上養殖イノベーションC新設

 日揮(横浜市西区みなとみらい2の3の1 山田昇司代表取締役社長執行役員)と関連企業のかもめミライ水産(福島県浪江町北幾世橋北中谷地32の2 臼井弘行代表取締役)は、福島県浪江町の北産業団地に東日本最大の完全閉鎖循環式陸上養殖プラントを含む「陸上養殖イノベーションセンター」の整備を計画し4日、町との立地基本協定を締結した。着工は2023年1月を予定し、現在は3社見積もりによる施工者選定を進めている。
 建設予定地は、同町北幾世橋地内にある北産業団地のうち南西側の区画約7900平方bで、着工時に土地賃借契約を締結する。施設はS造平屋建て、延べ計約5000平方bの養殖プラントと同延べ約1000平方bの事務所棟・簡易加工場で構成し、設計を日揮が担当。施設の完成目標を24年1月末としている。
 プラント内には30d規模の水槽を14基設置するとともに、生産環境を可視化し収集したデータをAIで解析する「統合環境制御システム」を備え、アニサキスフリーの生食用マサバを養殖する。27年までに年間約60dの養殖を目標に掲げ、飲食店などを通じて年間2億円程度の売り上げを見込む。
 なお、かもめミライ水産は、日揮と水産物卸売業のいわき魚類(福島県いわき市 鈴木健寿代表取締役社長)が出資し21年に設立した生食用マサバの生産および技術確立を目的とした企業。
 総事業費は約15億円を想定し、このうち約10億円を施設整備に充てる。同社は今回の計画に当たり国の自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金の6次公募採択事業者となっている。
 役場庁舎で行われた締結式では、山田代表、臼井代表、吉田栄光浪江町長が地元雇用をはじめ施設整備などに関する内容の基本協定書を取り交わした。吉田町長は「最先端技術で養殖されたサバは町の特産物となる」と歓迎し、山田代表は「環境負荷の少ない養殖技術を確立し持続可能な食品生産を可能にしたい」、臼井代表は「地元の皆さまに美味しいと言ってもらえる魚を養殖し、全国、世界に発信したい」と意気込んだ。

 提供:建設新聞社