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建通新聞社(中部)
2022/10/17

【愛知】名古屋市 名城収蔵施設周辺の修景素案まとめる

 名古屋市名古屋城総合事務所は、西之丸展示収蔵施設の周辺整備で、修景イメージ素案をまとめた。発掘調査などの成果を踏まえ、六番御蔵の遺構跡は具体的に表現することにした他、御蔵御門は礎石位置が分かるような自然石による表現を行うなどとしている。
 西之丸展示収蔵施設の周辺は、現在の正門を入ってすぐの場所に位置。かつて一番蔵から六番蔵までの6棟の米蔵が置かれていた。三番御蔵と四番御蔵のあった場所に展示収蔵施設を整備済みで、一番御蔵、二番御蔵、五番御蔵、六番御蔵は平面表示することにしている。
 六番御蔵は、発掘調査で礎石・地覆石、その抜き取り痕跡、建物基礎の布掘り跡から蔵の規模・位置を特定した。修景では、母屋の礎石位置、地覆石は発掘で確認された蔵の東側全面と南側の東から2間(382a)分の遺構を自然石で表現する。また、庇の礎石位置も根固め石と想定される円礫が確認できたため、位置を表現する。
 御蔵御門は、一番御蔵と二番御蔵の間に構えられた門。礎石などの確実な遺構は検出していないものの、トレンチ中央で南北に並ぶ石材を多く含む遺構が確認され、門の東側の門柱・控柱の礎石の抜き取り痕跡の可能性があるとみている。また、南北方向に延びる水道(石組水路)を検出した。修景は、御蔵御門の礎石を自然石で表現、水道は着色アスファルトなどで表示するとともに、検出された蓋石は自然石で再現する。
 一番御蔵は、母屋礎石の抜き取り痕跡から蔵の北端、東端が判明。水道位置から南端も推定できたとする。西端の推定も可能なため、遺構跡を表現する。二番御蔵と五番御蔵は、近代建物による影響もあり、蔵跡に関する遺構は認められなかった。


提供:建通新聞社