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建設経済新聞社
2022/10/19

【京都】安祥寺川改修で河川トンネル 京都土木事務所が予備設計発注

 京都府は、令和4年度から安祥寺川広域河川改修事業に着手。近く河川トンネル約500mの予備設計を外注する。
 淀川水系安祥寺川(京都市山科区)の流域においては、平成25年台風18号及び令和3年8月豪雨により、道路や宅地の浸水、京阪京津線及び市営地下鉄東西線などの浸水による運休など大きな被害が発生した。
 これを受け、京都府と京都市が協調し、概ね10年に1回起こり得る降雨による洪水を安全に流下させるための河川改修を実施する。
 府と市は令和4年1月に一級河川安祥寺川及び四宮川の治水安全度の早期向上を目的とする府市政策協定を締結。府を事業主体として、国の防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策を最大限活用して安祥寺川改修事業を推進する。
 政策協定の効果として、▽安祥寺川の改修完了時期を令和25年度頃から令和15年度頃に約10年前倒し▽国の支援制度を最大限活用するとともに、安祥寺川の河川改修を分割施工(約68億円)から一体施工(約55億円)とすることで総事業費を約13億円削減▽京都市の持つ都市基盤事業によって培った経験や基礎自治体として地域に精通する強みを安祥寺川と四宮川の改修に活用−を見込む。
 政策協定締結後の安祥寺川の河川改修は、上流工区と下流工区を一体として府が施工。立坑が1本不要になるとともに、地下トンネルの掘削を一度に実施することができる(立坑2ヵ所、約500mの地下トンネル)。総事業費約55億円のうち、国費は約27億5000万円(50%)。
 対象となる河川改修事業の区間は、安祥寺川が府道四ノ宮四ツ塚線下流からJR東海道本線上流まで延長約500mの区間、四宮川が山科川への合流点から藤尾川合流点まで延長約2000mの区間。工期は令和4年度〜15年度頃。
 令和4年度は1000万円を予算化した。
 府は体制整備として、令和4年4月に京都土木事務所に「安祥寺川・四宮川整備推進室」を設置した。府と市から職員を配置し、同推進室が両河川の事業を行う。
 京都土木事務所は17日、安祥寺川河川トンネル予備設計を行う業務を指名競争入札で通知。10月26日に開札し、担当業者を決める。工期は令和5年3月24日。
 JR東海道線北側から府道四ノ宮四ツ塚線南側の約500m区間(河川整備計画に基づく)が対象。
 当該設計区間については、過年度において分割施工を前提として、全体約500mの予備設計(京都府発注)および上流約200mの詳細設計(京都市発注)が実施されており、今回の業務では、これまでの委託成果を精査し、府事業による一括施工(全体約500m)を前提として、後に府において予定している当該区間の詳細設計業務の発注に必要となる諸条件の整理、詳細設計への申し送り事項の洗い出し等を行うとともに、詳細設計業務の仕様を決定する。
 主な内容は、河川トンネル断面の検討、一括施工であることを踏まえ既往成果の平面縦断線形計画の見直し、発進・到達立坑の検討、施工計画案の立案のほか、概算工事費の算定など。