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建設経済新聞社
2022/10/31

【京都】京都駅前の京都プロジェクト(仮称)のアセス方法書 令和7年度に解体、8年度から着工

 日本郵便梶i代表取締役社長衣川和秀氏、東京都千代田区大手町2丁目3−1)、京都駅ビル開発梶i代表取締役社長湊和則氏、京都市下京区塩小路通烏丸西入東塩小路町614)は28日、京都中央郵便局をはじめ、京都駅ビル西第2駐車場敷地を一体的に再整備する「京都プロジェクト(仮称)」に係る環境影響評価(環境アセス)方法書をまとめ、公表した。
 同計画は、日本郵便鰍ニ西日本旅客鉄道梶iJR西日本)が所有する敷地を一体的に開発し、既存施設を解体後、複合施設1棟に建て替える計画。京都のまちの玄関口として周辺景観に配慮しつつ、新たなランドマークとなる建築物を目指す方針。
 計画地の京都市下京区東塩小路町843−12他の京都中央郵便局及び京都駅ビル西第2駐車場を解体後、敷地約1万0200uに複合施設を建設する。
 複合施設の規模はS造・SRC造地下4階地上14階建、延約13万u(建築面積約9000u)。建築物の高さ(塔屋等は除く)は約60mとし、都市再生特別地区における提案予定。主な用途は、事務所、ホテル、商業、駐車場、バスターミナル等。
 複合施設は都市再生緊急整備地域(京都駅周辺)に位置することから、都市再生特別措置法に基づき、都市再生事業者として都市計画マスタープラン等の上位計画や方針を踏まえて、京都駅前エリアの各種課題に対応する公共貢献を導入し、容積率及び高さ等の都市計画提案を行う予定。
 公共貢献は、@駅前広場にあるバスターミナルの一部(高速バス乗降機能)を新築建築物内に移設、A京都駅直通の新たな連絡通路やポルタ(京都駅前地下街)との接続による立体的な歩行者ネットワークの形成、B帰宅困難者を受け入れられるよう防災備蓄倉庫を備えた一時滞在施設(アトリウム等)の整備等を行う予定。
 オフィスを主用途とし、地域企業と連携したスタートアップ向けのオフィス、宿泊特化型ではなく滞在を楽しめるようなホテル、地域ににぎわいをもたらす商業施設等を導入した複合施設とする予定。
 計画地の用途地域は商業地域で都市再生特別地区(都市再生特別地区の都市計画提案を予定)。指定建ぺい率は80%(角地・防火地域内の耐火建築物により100%)、指定容積率は600%(都市再生特別地区において約1100%を提案予定)。高度地区は31m第1種高度地区(都市再生特別地区において60mを提案予定)。
 方法書では、建物高さ45m(地下6階地上11階建/地下躯体の深さ約30m)のA案、建物高さ45m+60m(地下4階地上14階建/地下躯体の深さ約20m)のB案、建物高さ60m(地下3階地上14階建/地下躯体の深さ約15m)のC案の3案について検討。その結果、B案を選定した。
 計画建物の外壁面を敷地境界からセットバックするとともに、計画地の北側への影響軽減に向けた配慮(建物形状の工夫等)などにより、可能な限り周辺市街地への電波障害や日影の影響低減に配慮する。
 公共貢献として、@駅前広場にあるバスターミナルの一部を新築建築物内に移設A京都駅直通の新たな連絡通路や京都駅前地下街ポルタとの接続による立体的なネットワークの形成B帰宅困難者を受け入れられるよう防災備蓄倉庫を備えた一時滞在施設の整備等を行う予定。
 このほか、まちを散策する際の新たな交通手段となるパーソナルモビリティ(レンタサイクル等)の導入を検討。歩道と一体的なピロティ状の歩行空間(軒下空間)の創出を検討する。
 エネルギー消費量の低減や二酸化炭素排出量の削減に向けて地下水熱利用の導入可能性を検討するとともに、施設内のトイレの洗浄水等を目的とした地下水利用を検討。地下水を利用する際は敷地内に新たに井戸を設ける計画。
 コージェネレーションや地下水熱利用、高効率熱源や自然換気システム等の導入を検討するとともに、外壁の高断熱化等によるエネルギー消費量の低減や二酸化炭素排出量の削減等に取り組む予定。
 今後関係者と協議しながら建物屋上や壁面後退によって生まれる沿道空間等において可能な限り高木・低木・草花によるさまざまな緑化空間を確保することで、ヒートアイランド現象の緩和に取り組むとともに周辺環境にも配慮した潤いのある立体的な都市景観の形成を目指す。また建物屋上については一般開放を行うなどの憩い空間の創出を図る。

 既存施設は、昭和36年築(昭和58年増築)の京都中央郵便局がSRC造地下1階地上6階建、延約4万3000u(建築面積約6700u)で高さが約31m、平成9年築の京都駅ビル西第2駐車場がS造9階建、延約1万8000u(建築面積約2200u)で高さが約30m。
 工事期間は約5年を想定、工事は既存施設を解体した後、新築工事を実施する計画。基本計画・基本設計・実施設計を令和7年度初め頃まで進め、7年度後半頃から解体工事に着工し、8年度後半頃から新築工事に着工する予定。工事完了は令和11年度を目標とする。
 コンサルは日本郵政不動産(東京都千代田区)、日本郵政一級建築士事務所(東京都千代田区)。