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日刊建設タイムズ社
2022/11/01

【千葉】23年5月の策定へ/都市づくりビジョン/県都計審

 県県土整備部は10月31日、第196回都市計画審議会を千葉市のホテルポートプラザちば2階ロイヤルUで開催し、2025年度の都市計画区域マスタープラン見直しに伴い新たに策定する「(仮)都市づくりビジョン骨子案」について諮問した。ビジョンは、広域自治体としておおむね30年先を見据え、現行の都市計画区域の枠に留まらず県土全体を対象とし、広域的な視点から都市の姿を描き、県民の暮らしや仕事などの基盤となる都市づくりの考え方や方向性を示すもの。総合計画と、都市計画の上位計画にあたる都市計画区域マスタープランをつなぐ任意の計画となる。23年5月下旬の策定・公表を目指している。
 ビジョン策定までのスケジュールは▽12月まで=庁内・市町村原案調整▽12月下旬=ビジョン原案作成▽23年1月中旬=都市計画審議会への原案諮問▽1月下旬=ビジョン案作成▽2月上旬〜3月中旬=パブリックコメント▽3月中旬〜4月中旬=庁内・市町村意見照会――となっている。
 骨子案においては「多様化するライフスタイルに対応し、暮らし続けたいと思える魅力あふれる豊かな都市」を、目指すべき都市の姿として掲げている。
 広域的な都市づくりの視点として、広域道路ネットワークの構築、流域治水などの広域的な防災・減災対策、インターチェンジなどを生かした産業の受け皿づくり、カーボンニュートラルな都市づくり、広域的な視点に立った土地利用、公共施設などの広域・共同化と効率的な都市経営を挙げている。
 また、今後の都市づくりを支える取り組みとして、広域的な視点に立ったマスタープランの策定、DXを活用した都市づくりの見える化と情報発信、産業・環境・福祉・防災分野などとの施策の連携、ICTなどの新技術の導入・社会実験の促進、産・官・学・民の連携と民間活力の導入を進めていく。
 委員からは、各地域の実態に即した施策を盛り込むことや、「千葉らしさ」を感じられる内容とすることなどについて意見が寄せられた。今後、意見を踏まえて事務局が答申書案をまとめ、委員による確認を経て、答申される見通しだ。
 都市づくりの目標に対する主な方針は次の通り。
【地域の個性を生かしたコンパクトな都市】
 ▽多様な拠点を持つコンパクトな都市づくり=郊外部における住宅地などの新たな開発への対応、大規模商業施設・文化施設などが集積した広域拠点の形成▽拠点をつなぐネットワークづくり=首都圏のネットワークを形成する高速道路などの整備、県内の都市・地域や成田空港・千葉港をはじめとする拠点へのアクセス性向上のための広域道路ネットワークの整備
【災害に強く人々が安心して暮せる安全な都市】
 ▽地震・風水害など災害に強い安全な都市づくり=防災上危険な密集市街地の解消、橋梁の耐震化や無電柱化などによる緊急輸送道路の強化、流域治水の推進
【多様なライフスタイルが実現できる魅力ある都市】
 ▽多様なライフスタイルが実現でき人にやさしい都市づくり=インクルーシブな都市、職・育・住が近接する環境整備▽空き家や空き施設を再生しにぎわいのある都市づくり=多世代が交流し持続的に暮らし続けられる住宅団地の再生、再開発による新しい都市機能および居住の誘導
【地域の資源を生かし多様な働く場のある活力ある都市】
 ▽多様な産業が成長する都市づくり=高速道路インターチェンジや成田空港周辺などのポテンシャルの高い地域への産業集積のための受け皿づくり
【環境と景観に配慮したエコな都市】
 ▽カーボンニュートラルに取り組む都市づくり=洋上風力発電などの再生可能エネルギーや汚水処理施設における未利用エネルギーの活用▽身近な緑や景観を守り育む都市づくり=公園などの緑地空間の確保
【経営的視点に立った効率的で持続可能な都市】
 ▽都市経営の視点に立った官民連携による持続可能な都市づくり=既存の都市基盤施設の長寿命化、民間活力の導入による新たなにぎわいの創出k_times_comをフォローしましょう
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