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西日本建設新聞社
2022/11/01

【熊本】仮橋は組立式トラス橋 球磨大橋の復旧支援で国交省

 国土交通省八代復興事務所と熊本県、錦町は25日、台風14号の大雨で被災した球磨大橋(木上)を合同で現地確認した。早期復旧に向け技術支援を行う国交省は仮橋について、西瀬橋(人吉市)と同タイプの応急組立橋式下路式ワーレントラス橋を上流側の側面に設置検討していることを明らかにした。
 県道覚井一武線の球磨大橋は、1957年に供用開始した橋長340・7b、車道幅員5・5b、歩道2bのゲルバー桁橋(15径間)。台風による球磨川の増水で、橋脚のP9が最大52・5a沈下した。洗掘を受け、河床低下したことが原因と見られている。
 損傷被災により、台風翌日の9月19日から全面通行止を実施。地域住民は上流の木上大橋、下流の錦大橋への迂回を余儀なくされている。錦町の森本完一町長は今月4日、熊本県庁を訪れ、蒲島郁夫知事に早期復旧を求める要望書を提出。県は「九州地方における大規模災害時の応援に関する協定」に基づき、九州地方整備局に応援要請した。
 技術支援として九州地整は、応急組立橋の貸与、設計計画、施工計画、工程管理、架設における技術的な課題対応を行う。応急組立橋は、令和2年7月豪雨で橋桁の一部が流失した人吉水俣線の西瀬橋での事例がある。
 現地確認を前に球磨地域振興局の奥山和弘土木部長は「球磨大橋は地域の生活道路として重要な役割を担っている。高い技術力を持つ国の支援を受けながら、一日も早い復旧を目指す」と挨拶した。
 県の担当者が被災状況と調査内容を報告し、八代復興事務所は仮橋について、国交省が保有する応急組立橋の活用を検討していることを説明した。仮橋の基礎調査は県の依頼を受け、熊本県地質調査業協会の会員企業が担当し、調査設計はいであが進めている。仮橋の規模は未定で、設置工事の発注は熊本県が行う。
 球磨大橋を視察後、八代復興事務所の徳田浩一郎所長は「職員一丸となって災害支援・復旧に取り組む」、森本町長は「早急な対応に大変感謝している。来年の出水期前の5月までに仮橋を設置して頂ければ」と話した。

提供:西日本建設新聞社
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