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建通新聞社(中部)
2022/11/04

【三重】赤川流域の浸水被害軽減へ 県河川整備計画流域委員会が赤川整備計画原案示す

 三重県河川整備計画流域委員会が、一級河川雲出川(指定区間)の河川整備計画策定に向けて原案を示した。おおむね30年掛けて、指定区間・赤川の基準点で毎秒流量65立方bを安全に流下させられるように引き堤などの整備を行うとした。国と県による整備が完了した際には、現在の浸水面積を314・5fから189fに、湛水量を607万立方bから173万立方bに低減させる。2022年度内に計画を策定する予定だ。
 雲出川は県の中部に位置する幹川流路延長55`、流域面積550平方`の一級河川で、14年に国が河川整備計画を策定した。赤川は雲出川本川、中村川、波瀬川の堤防に囲まれた小河川で、管理延長が約3・2`、流域面積が約8平方`。ともに関係市は津市と松阪市。
 現在、赤川と雲出川の合流部には、逆流防止施設がないことに加え、雲出川側の堤防が未整備区間となっていることから、雲出川の水位上昇による逆流で赤川流域に浸水被害が発生している。洪水などによる被害を防止・低減させるため、国が雲出川と赤川の合流部で無堤部の嵩上げ、水門、樋門・樋管を整備する。県も国に合わせて、赤川を整備することで、赤川流域の浸水被害を軽減させることができることから整備することとなった。
 河川整備計画原案では、工事区間を雲出川合流部〜近鉄橋梁下流部までの延長1・7`とした。工事は引き堤による河道拡幅や掘削により流下能力を上げ、堤防高が不足する箇所の堤防嵩上げとともに護岸工や橋梁架け替えを行う。護岸工は植生の回復が可能なタイプとする。整備目標は、1982年8月洪水に将来気候変動による雨量増を考慮した毎秒流量65立方bを平生時に安全に流下させること。計画対象期間はおおむね30年間。
 委員からは前回の委員会で指摘した点に対してや第2回アンケートに対する意見・質問があった。
 今回の流域委員会の後、関係機関との協議や関係市からの意見聴取を行い、パブリックコメントを経て、計画策定・公表となる。

提供:建通新聞社