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建通新聞社(静岡)
2022/11/11

【静岡】建設業の財務統計指標 県内企業の収益低下

 東日本建設業保証がまとめた2021年度の「建設業の財務統計指標(決算分析)」によると、企業の総合的な収益性を示す「総資本経常利益率」の県内企業の平均値は6・34%となり、前年度から1・54ポイント低下した。前年度は、同社管内の23都県の中で2番目に高い水準となっていたが、管内5番目まで後退した。企業の生産性を表す「1人当たり付加価値」も1116万円から1112万円にわずかに低下した。
 総合工事業・電気工事業・管工事業を専業とする企業が東日本建設業保証に提出した決算書(21年4月期〜22年3月期)を集計した。同社管内の23都県の対象企業2万1118社のうち、県内の対象は1170社。
 県内企業の総資本経常利益率を業種別に見ると、土木が6・81%と前年度よりも2・13ポイント低下。建築も4・00%と0・75ポイント低下した。電気は7・06%と業種別で最も総資本経常利益率が高かったが、前年度と比べると4・16ポイント減となり、下げ幅が最も大きい。管は0・05ポイント増の6・36%と前年度を上回った。
 売上高別では▽1億円未満=3・35%(2・12ポイント減)▽1億〜5億円=7・15%(2・07ポイント減)▽5億〜10億円=8・91%(0・58ポイント増)▽10億〜30億円=6・92%(0・90ポイント減)▽30億円以上=6・59%(1・04ポイント増)―となり、売上高5億〜10億円、30億円以上の企業の利益率が上昇している。
 この他の採算性の指標では、本業の営業活動から得た利益を表す「売上高営業利益率」の平均値は3・08%と0・67ポイント低下し、工事の採算性が全体として下がった。
 労働生産性を表す1人当たり付加価値は、土木が1110万円、建築が1212万円、電気が1067万円、管が979万円だった。売上高別では、1億円未満が714万円で最も低く、30億円以上が1948万円で最も高い。売上高が大きいほど労働生産性が高い結果が出ている。
 この他の指標では、総資本に対する自己資本の割合である「自己資本比率」は33・35%となり、2・67ポイント上昇。前年度からは上昇したものの、全体の平均値(40・30%)を大きく下回り、東日本保証管内の23都県の中で最も低い数値となっている。