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建設経済新聞社
2022/11/15

【京都】11月30日に公共事業評価第三者委開催 北川事業間連携砂防等事業など4事業を再評価

 京都府は14日、30日開催の公共事業評価に係る第三者委員会で審議する令和4年度の対象事業を発表した。
 全て再評価で、北川事業間連携砂防等事業(京都市西京区)、中ノ谷川通常砂防事業(宇治田原町)、志高地区急傾斜地崩壊対策事業(舞鶴市)、一般国道423号(法貴バイパス)道路整備事業(亀岡市)の計4事業。
 北川事業間連携砂防等事業(京都市西京区大原野北春日町)は、平成29年度に再評価したもので再々評価を行う。
 事業目的は「当該渓流には、不安定な土砂や転石、倒木が多数堆積しており、土石流発生の危険性が高く、下流の人家や道路などへ被害を及ぼす恐れがあることから、砂防堰堤などを整備し、土砂災害から住民の生命、財産を保全する」。保全対象は人家142戸、事業所20ヵ所、耕地15・7f、京都第二外環状道路90m、府道1・2q、市道3・4q、橋梁6ヵ所。
 事業内容は、堰堤工2基(本川既設堰堤嵩上H14・5m、L57・5m(部分透過型)、支川堰堤H10・0m、L50・0m(透過型))、床固工11基(本川床固H2・5m〜4・0mが計5基、支川床固H4・0mが計6基)。
 進捗状況によると、現在までに測量・調査・設計業務、及び用地買収を実施済み。支川砂防堰堤、床固工(6基中5基)、渓流保全工は完了済み。令和3年度から本川砂防堰堤に着手した。
 全体事業費は、前回評価時の9億5000万円から8億5000万円増の18億円(うち用地費1億8000万円)。
 事業費増額の要因は、@本川砂防堰堤の修正設計による工事費の増[堰堤右岸側斜面において、表層地盤の緩みや小規模な表層部の崩壊跡が確認されたため、調査を実施したところ、斜面崩壊の恐れがあることが分かった。そのため法面対策工の追加などの安全対策を検討する必要が生じ、設計内容の見直しを行った](約1000万円増)A本川砂防堰堤の右岸側法面工の追加[@の見直しにより法面工を追加する必要が生じ、工事費が増大](約1億2000万円増)B本川砂防堰堤位置の変更[▽本堤右岸側にある不安定な斜面及び地山への影響を避けるため、本堤位置を左岸側にずらすことで、地山の掘削範囲を減らし人工地山を設置する計画へ変更▽本堤位置の変更に伴って、本堤に取り込む予定だった既設堰堤において一部取り壊しが発生▽本堤位置の変更に伴って、副堤及び垂直壁の位置・構造を見直したところ、全体の構造物の体積が増加](約4億2000万円増)C堰堤及び床固工の化粧型枠の追加[京都市風致地区条例及び京都市自然風景保全条例の規定に基づく協議により、堰堤及び床固工に化粧型枠を追加する必要が生じ、工事費が増大](約2億5000万円増)D支川砂防堰堤下流側の侵食対策工の追加[支川砂防堰堤施工にあたり、砂防堰堤から床固工の間は土羽構造の計画としていたが、現地精査により浸食の恐れが確認されたため、侵食対策工を追加する必要が生じ、工事費が増大](約5000万円増)。
 令和4年度末までの投資事業費(見込み)は10億1000万円で進捗率56%。用地費は1億8000万円(進捗率100%)。
 事業費の投資効果について、費用便益比(B/C)を算出した。
 平成29年度の再評価時は、総便益(B)116億5000万円/総費用(C)10億7000万円でB/Cは10・9と算出。今回評価では(B)107億6000万円/(C)20億1000万円でB/Cは5・4と算出した。
 残事業は、(B)61億2000万円/(C)7億8000万円でB/Cは7・9と算出した。
 事業の進捗見込みについて「平成29年度から工事に着手しており、令和5年度は令和4年度に引き続き本川砂防堰堤の工事を予定」「早期完成に向けて事業進捗を図るため、引き続き本川砂防堰堤工(継続)、本川床固工、本川渓流保全工、支川床固工の整備を行う」。
 コスト縮減の可能性については「現計画は、本川上流の既設堰堤(昭和55年設置)を嵩上げする構造を採用するなど、既存施設を有効に活用することでコスト縮減を図っている」を挙げた。
 公共事業評価に係る第三者委には、総合評価として「事業を継続する必要がある」とする府の方針を示す考え。
 残る再評価3事業の内容は次号掲載。