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西日本建設新聞社
2022/11/16

【熊本】肥後大津ルートが妥当 空港アクセス鉄道で検討委結論

 空港アクセス検討委員会(委員長・加藤一誠慶應義塾大学教授)の第5回会合が9日、熊本テルサであり、JR豊肥線と熊本空港を結ぶ鉄道について3ルート案の中から「肥後大津ルートが妥当」と結論付けた。熊本県は検討委の意見も踏まえ早期にルートを決定する方針だ。
 会合で委員からは「直通運行でき、利便性に優れている」「南阿蘇鉄道が肥後大津駅に乗り入れられれば観光地阿蘇へのアクセスが向上する」など、同ルートを支持する意見が相次いだ。一方で、三里木ルートで期待された、イベント時の県民総合運動公園周辺の交通渋滞は解消されないとして、県に対し改善策を検討・整理するよう求めた。
 熊本都市圏では、中心市街地とIC、空港を高規格道路で結ぶ「10分・20分構想」が計画されている。「鉄道と道路の両方必要なのか」という県民の意見について、円山琢也委員(熊本大学大学院教授)は「鉄道は12年後の開業を想定しているが、都市高速道路が同時期に空港まで開通できるかといえば相当厳しいだろう。ここで鉄道を造らなければ何十年も空港アクセスは改善されない。企業進出等で交通渋滞が懸念されるなか、定時性、大量輸送性を確保できる鉄道を造っていたほうが安心ではないか」と説明した。
 肥後大津ルートは、肥後大津駅で豊肥本線と接続し、空港までの約6・8`を高架橋とトンネルなどで結ぶ。概算事業費は約410億円(税込)。環境影響評価等に4年、建設工事に8年を見込んでおり、2034年度末の開業を想定している。

提供:西日本建設新聞社
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