トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(埼玉)
2022/11/18

【埼玉】県 カヌーの船着き場検討、年度内に10河川で候補地

 県土整備部は、民間によるカヌーを使った河川の水面清掃活動を支援するため、活動団体側のニーズを踏まえた船着き場や親水護岸を県内河川に新設する検討に入る。10河川から3〜5カ所ずつ、計40カ所程度の設置候補地を選び、船着き場や親水護岸の形状、概算工事費などを年度末をめどに整理する。
 河川上のごみをカヌーを使って回収する民間主体の環境美化活動が広がっている。一方、カヌーを搬出入したり、集めたごみを仮置きできたりする河川沿いの空間は十分に整備されているとは言えず、県は必要な施設整備を検討することにした。
 対象は▽綾瀬川▽伝右川▽元荒川(大相模調節池含む)▽大落古利根川▽芝川▽鴨川▽桁川▽毛長川▽新河岸川▽入間川――の10河川。水面清掃の実績などを持つ県内10団体にヒアリングして、最適な設置箇所、規模、基本構造などについて取りまとめる。
 整備イメージの一つに、国土交通省が越谷市蒲生愛宕町内の綾瀬川に整備した蒲生船着き場を上げる。カヌーのスポーツ文化向上に取り組む市民団体、草加パドラーズが水面清掃時の拠点に活用している。
 これまでも河川改修に合わせ、親水護岸などは随時設置されてきているが、市民利用が低調な河川空間は実際にある。水面清掃のニーズまで計算して事業着手する発想はさらに珍しい。
 構想段階から関係者の意見を丁寧に収集・分析することで、整備完成後の確実な利用、官民連携の維持管理などにつなげる。