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日刊建設タイムズ社
2022/11/25

【千葉】官民学連携で実現へ/初会合で方向性など共有/京葉臨海コンビナートCN推進協

 「京葉臨海コンビナートカーボンニュートラル推進協議会」が24日に設立され、同日、千葉市のTKPガーデンシティ千葉4階コンチェルトで第1回会議が開かれた。会長を務める熊谷俊人知事は「京葉臨海コンビナートでCO2削減の革新的な技術開発、社会実装が進んでいくことが、県だけでなく日本全体のカーボンニュートラルの実現に大きく関わってくると確信している。県としても、国、関係市、立地企業、有識者の皆さまと連携を図りながら、さまざまな取り組みを進めていきたい」との考えを示した。
 議事では、協議会の設立趣旨などについて報告がなされたほか、協議会運営要綱を決議した。
 京葉臨海コンビナートのカーボンニュートラルへの転換を図るためには、広域かつ多業種が集積している強みを最大限に生かし、業種を超えた企業間連携を促すことで、エネルギーやマテリアルなどの効率的な利活用やスケールメリットを生み出す必要がある。
 そのため、協議会および具体的なテーマごとに設置する分科会を受け皿として、具体的な企業間連携の取り組みについて協議を進めていく。分科会、勉強会、企業ヒアリング・調査などについては随時実施。協議会は年1回程度開催し、分科会における取り組み状況等を把握・共有する。第2回協議会は2023年10〜11月頃に行う。
 
再エネや発電設備共有化など
 
 想定される取り組み事例として▽脱炭素エネルギー=水素・アンモニアの共同調達・利活用、CO2回収、バイオマスの活用、再生可能エネルギーの活用▽炭素・資源循環=CO2回収、廃棄プラスチックのケミカルリサイクル、バイオマスの活用▽エネルギー最適化など=余剰の蒸気・オフガス・廃熱の共同利活用、発電設備などの共有化、CCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)の共同実施――を挙げた。
 経済産業省資源エネルギー庁資源・燃料部石油精製備蓄課長の細川成己氏と東京大学環境安全研究センター教授・化学工学会地域連携カーボンニュートラル推進委員会委員長の辻佳子氏による講演を経て行われた意見交換では、小出譲治・市原市長、石橋洋信・関東地方整備局副局長など複数の出席者から期待の声や意見が寄せられた。
 熊谷知事はこれを受け、「コンビナートのカーボンニュートラル化は、われわれがこれまでに経験したことのない、産業の歴史を塗り替えるといっても過言ではない壮大かつチャレンジングな試みと考えている。官民を挙げて英知を結集する必要がある。まずは業種を超えた企業間連携のニーズ、技術革新の動向などについて共有することが重要」と述べ、立地企業に対して積極的な提案・意見を求めた。
 協議会は、京葉臨海コンビナートの国際競争力を堅持しつつ、日本をリードするカーボンニュートラルコンビナートへの転換を図るため、行政・立地企業などが連携し、先進的な取り組みを推進することを目的に設置された。
 会長の熊谷知事のほか、▽立地企業=出光興産、大阪国際石油精製、コスモ石油、JFEスチール、JERA、住友化学、東京ガス、日本製鉄、富士石油、丸善石油化学、三井化学▽関係市=千葉市、市原市、袖ケ浦市、木更津市、君津市、富津市▽国=関東経済産業局、関東地方整備局▽有識者=辻佳子氏、松野泰也氏(千葉大学教授)――で構成。
 また、県におけるカーボンニュートラルの推進体制は、本協議会のほか、庁内組織のカーボンニュートラル推進本部、港湾事業者・立地企業・港湾関係団体・行政で構成するカーボンニュートラルポート推進協議会があり、相互に連携を図ることとなっている。
 カーボンニュートラル推進本部は、50年度のカーボンニュートラルに向け、カーボンニュートラル推進方針を年度内に策定する予定。また、カーボンニュートラルポート推進協議会においては、国際拠点港湾の千葉港および重要港湾の木更津港のカーボンニュートラルポート形成計画を24年3月をめどに策定する方針だ。k_times_comをフォローしましょう
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