トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2022/11/25

【高知】高知市の西敷地 東横イン案は基準満たさず

 高知市は、オーテピア西敷地利活用事業で応募のあった東横イン(本社・東京都大田区)の提案について、選定委員会による審査の結果、最低基準の点数を満たさなかったため「候補者を選定しない」との答申を受けた。この結果を踏まえ岡ア誠也市長は「残念だが厳正中立な審査の結果で受け止めたい」とし、今後については「議会でさまざまな意見を聞きながら決めていきたい」と述べるにとどめた。ただ2023年4月に市議選を控えることから「できれば22年度内に方向性を決めたい」との意向を示した。
 西敷地利活用事業では、4者から参加表明があったが、1者は参加資格がなく、2者は建設資材の高騰などを受け事業提案書の提出期限前に辞退したため、東横インのみの参加となった。東横インの提案は耐震機能を持つ12階建ての複合ビルで229室の客室を持つホテルを持つ一方、応募時に必須としていた「広場機能」ではオーテピアと一体化した広場、「家族機能」ではボルダリングなど子どもたちが体を動かすエリアを設けることを示していた。
 11月14日には公開のプレゼンテーションが開かれ、この内容を踏まえ選定委員会で審査を実施。その結果、1000点満点中396点となり、優先交渉権者の候補者の基準となる600点に及ばなかった。委員会からは「事業計画や全体工程計画の妥当性はノウハウと実績に裏付けられ評価した」としたものの、「中心市街地の活性化のための具体性・独自性のある提案が見られなかった」「一般的なホテル出店計画に提案条件を満たすための機能が付帯的に盛り込まれた提案にとどまった」などと厳しい意見が相次いだ。
 西敷地利活用に関しては、17年度にも公募を行い、優先交渉権者を決めたが、選考過程が不明瞭などとの意見が相次ぎ、再公募となった経緯がある。今回、候補者が決まらなかったことで、改めて公募するかは未定だが、岡ア市長は「建設資材が高騰している今のタイミングですぐ再公募は無理だろう」と述べ、12月議会での議論も踏まえ、方向性を出す考えを示した。
提供:建通新聞社