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建通新聞社(静岡)
2022/11/30

【静岡】県単独で河道掘削 22河川で埋塞状況調査

 静岡県は、台風15号で流出した土砂で河道がふさがれた河川など、県内22河川(総延長360`)を対象にグリーンレーザー測量を実施する。水中を透過して河床の地形を計測できるグリーンレーザーを活用し、台風15号で流出した土砂による河道の埋塞(まいそく)状況を効率的に把握する。調査結果を踏まえ、2023年度に県単独事業として実施する河道掘削の対象箇所を決める。
 県議会12月定例会に提出する12月補正予算案に、台風15号被害を踏まえた「河川堆積土砂緊急調査事業費」として調査費3億8000万円(23年度ゼロ債務負担)を計上した。予算成立後に発注手続きに入り、22〜23年度に22河川の土砂の堆積量を把握する。
 調査には、グリーンレーザーを活用して効率的に土砂の堆積量を把握する。陸上部・水中部の地形の3次元点群データを取得し、任意の箇所の断面を抽出。横断測量の成果と重ね合わせ、土砂堆積量を確認する。
 中部地区・西部地区に記録的な降雨をもたらした台風15号では、上流からの土砂の流出によって、河川の埋塞が発生した。県は、断面の3割以上が埋塞した箇所では、国庫補助を受けた災害復旧事業として、年明けから河道掘削を本格的に実施する。
 一方、国庫補助を受けられない断面の3割以下が埋塞した箇所でも、県単独の「県土強靱(きょうじん)化対策事業」で河道掘削を実施し、堆積した土砂を撤去する。土砂が堆積しやすい県内22河川・総延長360`をグリーンレーザー測量で調査し、23年度の河道掘削の対象箇所を絞り込む。
 河道内の浚渫や樹木伐採などによって河川の流下能力を回復させる河道掘削は、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」や「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の対象となったため、全国で対策工事が進んでいる。対策が本格化した18年度から21年度末までの事業量は全国で約7840万立方bに上るという。
 県内でも、国庫補助・県単独の双方で河道掘削が実施されており、県は今回の調査の中で、過去に河道掘削を行った太田川と瀬戸川で台風15号に対する対策の効果も検証する。