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建通新聞社(静岡)
2022/12/05

【静岡】CCUS 活用工事68件で現場利用

 静岡県が2022年度から試行を開始した建設キャリアアップシステム(CCUS)活用工事で、総合評価落札方式や工事成績評定で加点される現場利用の希望があった工事が、10月末までに68件あったことが分かった。すでに工事が完了した工事のうち、受注者が実際に現場にカードリーダーなどを設置し、就業履歴登録を確認できた工事は3件あったとしている。
 県は、今年4月1日以降に発注するほぼ全ての工事でCCUS活用工事を試行。総合評価では、「企業の施工能力」の評価項目でCCUSの事業者登録に0・5点、現場利用に0・5点を加点する。現場利用については、カードリーダーを現場に設置するなど、技能者が就業履歴を蓄積できる現場環境を整え、工事完了までに就業履歴が1件以上あれば、工事成績評定でも加点評価する。
 10月末時点で受注者から現場利用の希望があった工事は68件。部署別に見ると、島田土木事務所が11件と最も多く、沼津土木事務所の10件、静岡土木・袋井土木・東部農林事務所の各6件などが続いた。土木事務所と農林事務所以外でも、企業局で5件、くらし・環境部と教育委員会が発注した工事で1件ずつの希望があったという。
 すでに完了した工事では、就業履歴登録を確認できる書類を提示し、現場利用を確認できた工事が3件あり、工事成績評定で加点する。
 CCUSの技能者登録は、10月末までに100万人(102万4269人)を超え、事業者登録も19万6655者(一人親方含む)と20万者に迫ろうとしている。静岡県内の登録者数は、技能者登録が2万3882人、事業者登録が5259者。
 全国に約330万人いるとされている技能者の3分の1が登録した一方、大手と比べ、中小建設業の現場では、カードリーダーの設置が進まず、技能者が就業履歴を登録できる環境が整っていない。
 技能者が現場でカードタッチできず、就業履歴が蓄積されないと、CCUSが目指している技能者の処遇改善も進まない。国土交通省や、CCUSを運営する建設業振興基金は、CCUSの現場利用を後押しするため、新規登録した元請けにカードリーダーを無償貸与する試みを12月に始めた。2023年1月からは、CCUSを現場で利用した元請けに対する経営事項審査での加点措置も始まる。