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建設経済新聞社
2022/12/09

【京都】丹後郷土資料館リニューアル 設計者に選定の石本建築事務所の提案踏まえ 地域活性化の中心拠点めざす

 京都府は8日、宮津市国分の丹後郷土資料館のリニューアルについて、整備後の資料館の利用者を周辺への観光周遊につなげるとともに、地域活性化のハブ機能を目指す方針を明らかにした。
 12月議会の代表質問(1日目)に答えたもので、リニューアルについて府教育委員会の前川明範教育長は「設計業務についてプロポーザル方式で12月2日に契約候補者を選定した。主な提案内容は、博物館機能として、国宝、重要文化財の展示や保管を適切に行える公開承認施設とすることや、プレミアムで本物志向の特別展示室を設置することが盛り込まれている。また横一文字の天橋立を一望する展望デッキや新設する別館に観光広報ゾーンや交流フロアを整備するなど、新たな付加機能の提案があった。いずれも施設整備にとどまらず、歴史文化探訪、観光の拠点として、丹後地域の魅力を引き出し、エリア全体を活性化させるものとして、外部有識者からも高い評価を得た」「再整備後の目指す姿について、博物館法の改正により、資料の収集・研究・展示という役割に加え、担うべき機能は多様化しており、8月に就任の佐々木丞平名誉館長からも、これからのミュージアムは地域活性化のハブを担うべきとの助言をいただいている。このため、今回提案のあった新たな機能を活用し、文化財志向の人、天橋立の展望目的の人、交流フロアの利用者などを周辺への観光周遊につなげるしかけ作りを進めるとともに、子どもたちの体験学習の場として、また地域交流の拠点として、まさにハブ機能を発揮していきたい」「府教育委員会としては、この整備をきっかけに、人の流れをエリア全体に波及させることで、様々なビジネスチャンスを作り出すことができるよう、海の京都DMOや商工会、商工会議所とも連携し、文化・観光・地域経済における好循環を生み出していきたい」と述べた。
 府教委は、公募型プロポーザルの京都府立丹後郷土資料館再整備基本・実施設計等業務について、石本建築事務所大阪オフィス(大阪市中央区)を契約候補者に選定。業務期間は令和6年6月28日。委託上限額は9641万3000円。
 再整備では、現資料館(本館)の耐震補強工事を含む改修に加え、本館北側別棟や別館を新築する。
 再整備の予定スケジュールによると、令和4年度に本館・別館基本・実施設計(〜6年度)、収蔵庫新設等設計(〜5年度)を行う。5年度に収蔵庫新設工事に着手し6年度に完成、6年度に本館改修工事・別館新設工事に着手し8年度の完成・リニューアルオープンを目指す。

別敷地の外部収蔵施設設計
BOFアーキテクツに決定


 また外部収蔵施設等を新築する計画。与謝野町男山の旧与謝の海共済住宅(CB造2階建×2棟、延275・72u、敷地面積約620u)を解体し、その跡地に外部収蔵施設等を建設する。
 新築する外部収蔵施設は、準耐火構造のS造2階建、延約400u程度を想定。内部は1階に玄関(約20u)、前室(約20u)、収蔵庫(約120u)、調査室(約30u)、2階に収蔵庫(約180u)を配置する予定。屋根は勾配屋根とし、軒や庇を深くとり、出入口や壁への直射日光を遮断する構造とする計画。昇降機(人荷用1000s程度)を1基設置する。
 資料館本館の地下収蔵庫と別棟収蔵庫(鉄骨プレハブ造)に保管している木製民俗資料や埋蔵文化財を保管する。また2階収蔵庫は資料館本館の改修工事期間中(令和6年度後半から約21ヵ月想定)に本館事務所機能を移転し、仮事務所として使用できるようにする考え。
 府教委はこのほど入札で外部収蔵施設等の設計業務をBOFアーキテクツ(京都市下京区)に決めた。設計工期は令和5年7月31日。