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日本工業経済新聞社(群馬)
2022/12/26

【群馬】前橋市が歴史的風致維持向上計画を策定

前橋市は2023〜32年度までを計画期間とする歴史的風致維持向上計画を策定した。同計画で維持向上すべき歴史的風致を位置付け、「前橋らしい歴史性」が感じられる街並み形成を進めていく。臨江閣を核とする厩橋地区と、秋元氏歴代墓地がある史跡・宝塔古墳を中心とする総社および総社山王地区の2地区を重点区域に指定。各地区の状況に応じて、道路美装化・高質化事業や前橋公園内歴史的拠点創出事業、群馬総社駅西口開設事業などに取り組む。
歴史的風致維持向上計画は、市町村が策定し、文部科学大臣、農林水産大臣、国土交通大臣の主務大臣が認定し、その取り組みを支援するもの。県内では甘楽町、桐生市に続き3例目。
基本理念として「『関東の華』・『生糸のまち』の歴史を継承し、官民が連携して前橋の誇りを取り戻す」を掲げる。計画期間は23〜32年度の10年間。既存の総合計画や都市計画マスタープランなどと連携、街なかにおけるまちづくりについては、官民共有の羅針盤であるアーバンデザインに基づくこととしており、同計画はアーバンデザインを一部具体化する位置付けとなる。
計画における重点区域は、臨江閣を中心に位置付ける厩橋地区約218haと、総社秋元公歴史まつりが展開される旧城下町、旧佐渡奉行街道を中心とする総社および総社山王地区約150haの2地区。総社および総社山王地区は、長年の懸案であったJR群馬総社駅の西口開設と東西自由通路の整備が計画されたことにより、都市計画による地域拠点としての機能向上が見込まれる。加えて、歴史の宝庫にふさわしいゲートウェイとしての役割に期待が高まる。
歴史まちづくりの指針は「調べる・魅せる・保全する」、「揃える、整える」、「高める・創出する」の3分野に区分。それぞれの指針に基づいて、各地区および市全域で、具体的な取り組みを進めていく。
厩橋地区では、旧国立原蚕種製造所事務棟や群馬県医学校、藩営前橋生糸所など、すでに滅失されたものや、郊外に移転した歴史的建造物の活用方法について研究し、移築・復元の是非を含めた検討を行う歴史的建造物修理・復元等検討事業などに取り組むとした。市のシンボルロードである「けやき並木通り」においては、レンガをはじめとする歴史的景観を創出する上で有効な色彩や材質、施工方法などを整理したガイドラインを策定する。このほか◇広瀬川河畔景観形成重点地区拡張事業◇前橋公園内歴史的拠点創出事業◇前橋駅周辺歴史的景観向上事業◇酒井氏歴代墓地整備推進事業−などを実施する。
総社および総社山王地区においては、JRと共同で行う群馬総社駅西口開設事業のほか、観光受入環境整備事業や道路美装化・高質化事業、天狗岩用水周辺環境向上事業などを行う。また、両地域に共通して、歴史的建造物保全支援やヒストリックランドマーク整備に取り組むとしている。
市内全域では文化財保存活用地域計画策定事業や景観計画改定事業に取り組む。