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北海道建設新聞社
2023/01/19

【北海道】道内の限定特定行政庁が34市町に減少 建築主事確保困難

 道内自治体で建築主事である有資格職員の退職に伴い、限定特定行政庁(限特)を廃止する動きが出始めている。滝川市と釧路町は3月末をもって廃止し、これで道内の限特は34市町となる。規模の小さい自治体では資格保有者の確保が困難になっている。限特の廃止は行政サービスの低下につながる。残る34市町は人材募集や職員の資格取得に向けた支援に力を入れるが、「小さい自治体で募集しても人が集まらない」「1級建築士はいるが試験が難しく、補充できない」といった先行きを懸念する声が上がり、今後も限特を継続できるか、不安を募らせている。
 限特は、建築主事を置く市町村が戸建て住宅を中心とする4号物件の建築確認、完了検査といった建築基準法の一部業務を担える仕組み。建築主事となるには、建築基準適合判定資格者検定に合格する必要がある。同検定の受験資格は、1級建築士で、さらに2年以上の実務経験が求められる。全国の受験者数は年々減少傾向にあり、2022年度の合格率は36%と難易度が高い。
 また、1級建築士試験の合格も狭き門だ。建築技術教育普及センターが実施した22年度の最終合格者は、実受験者3万5052人のうち3473人。合格率は9.9%と1割にも満たない。
 道内の限特はこれまで、07年度に夕張市、14年度に標茶町、15年度に弟子屈町と七飯町、19年度に厚岸町が廃止。22年度で廃止する滝川市と釧路町を除くと34市町になる。廃止要因としては人材を募集しても集まらず、日常業務をこなしながら1級建築士試験と建築基準適合判定資格者検定の合格を果たすのはハードルが高いためだ。
 東神楽町は17年ごろに建築主事が退職し、現在は1人で業務をこなす。人手不足で職員数自体が減少する中、建築主事は「建築担当職員も2、3人しかいない。人材確保は厳しい状況だ」と不安を口にする。
 中標津町も建築主事1人が担当している。「退職してしまえば存続できなくなる。主事になるにもハードルが高く、人材不足は喫緊の課題」と頭を抱える。

 各自治体では建築主事の資格保有者の増加を図るため、資格取得を支援。根室市では受験料や受験会場への移動費の補助などに取り組む。

 一方、人材確保については、募集をかけても集まらないのが実情。業界関係者は「若い人は給料の良い民間の検査機関に流れていく側面がある」と吐露する。

 限特廃止後の建築確認申請は、総合局・振興局または民間指定確認検査機関への申請となり、行政サービスの低下になる。道の担当者は「全道的に技術者不足が進んでおり、一度廃止すれば再開は難しい。今後も同様の対応(廃止)を取る自治体が増えるのでは」と懸念している。

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