トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

鹿児島建設新聞
2023/01/19

【鹿児島】県内自治体の地域平準化率/21年度0.73 平均超も温度差浮彫り

 県内自治体(県、43市町村)の発注工事に関する2021年度の地域平準化率が0.73まで上昇したことが明らかになった。前年度から0.02ポイント増え、2年続けて全国平均を上回った状況。市町村別では、高水準とされる0.8以上が9市町村あった一方、0.3にも満たない自治体がまだ5市町あるなど、温度差が浮き彫りとなっている。
 平準化率は、当該年度の月平均稼働件数に対する4〜6月期の平均稼働件数を算出したもの。コリンズに登録された契約金額500万円以上の工事を対象に集計し、数値が「1」に近いほど平準化が図られていることになる。
 21年度の地域平準化率は、全国平均(都道府県、市区町村)の0.71に対し、本県の平均(県、43市町村)は0.73となり、前年に続いて0.02ポイント上回った格好。九州・沖縄の8県では、大分(0.82)、熊本(0.77)、佐賀(0.75)に次いで4番目の数値だった。
 県内自治体の内訳をみると、県は前年度から0.04ポイント減となる0.79。市町村では、志布志の1.12が最も高く、いちき串木野(1.05)と南種子(1)までの3市町が「1以上」、高水準とされる「0.8以上」の自治体はこれらを含めて9市町村あった。
 このほか、「0.7以上0.8未満」が9市町村、「0.6以上0.7未満」は5市町村、「0.6未満」は20市町村となった。特に、錦江町(0.16)や東串良町(0.2)、伊仙町(0.23)、肝付町(0.26)、和泊町(0.27)などが前年に続いて低値となっている点は気に掛かる。
 平準化率は、国土交通省が改正品確法を踏まえて設定した「新・全国統一指標」と目標値を踏まえて集計。九州ブロック発注者協議会では、24年度までの目標値を0.8に設定し、継続的にフォローアップを行っている。


★記者の眼
 認識してる?「さしすせそ」

 新・担い手三法で「発注者責務」として明文化され、働き方改革に欠かせない要素の一つとされる施工時期の平準化。県内自治体の平均値は上昇基調にあるが、低値が続いている市町村や年度によって乱高下している感も否めない。
「平準化できていないのに、週休2日ばかり求められても…」。こうした業界の声を発注者はどう受け止め、改善を図っていくか。国土交通省が推奨する五つのキーワード「さしすせそ」(債務負担行為の活用、柔軟な工期設定など)も改めて認識し、高い水準で数値を安定化させていくことが当面の課題だ。
(田原謙一・常務取締役(兼)報道部長)


鹿児島建設新聞space鹿児島建設新聞FACEBOOK