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北陸工業新聞社
2023/01/20

【富山】資材の調達・価格は過去最低/第3四半期建設業景況調査/東日本保証富山/来期は収益減少傾向に

 東日本建設業保証富山支店は19日までに、2022年度第3回「建設業景況調査」の実施結果をまとめ、公表した。
 景況調査は、建設企業の景気動向を総合的に迅速かつ的確に把握することを目的に実施しているもの。経営動向(地元建設業界の景気、受注、資金繰り、金融、資材、労務、収益の状況)と経営上の問題点について、毎年3、6、9、12月に郵送でアンケート調査を行っている。
 調査に際しては、同社と取引関係のある建設企業から、地区別と業種別、規模別の分布状況を考慮し、経営動向を反映するに足りると認められる企業を対象とし、原則として固定している。
 今回の県内回答企業数は計59社で、項目ごとに10月から12月(第3四半期)の今期実績、23年1月から3月までの来期見通しを算出した。
 項目別のB・S・I(景況判断指数)値を見ると、「業況等」の地元建設業界の景気は今期、悪い傾向が弱まった。来期は一転、悪い傾向が強まる見通しであり、景気の先行きに対し、悲観的な回答を寄せる企業が大勢を占めた。
 今期の「受注総額」は、減少傾向が強まった。B・S・I値マイナス20・5は、17年12月以来の厳しい水準。民間工事も減少傾向だったが、特に官公庁で減少傾向が一層強まった。来期の受注総額は、今期と同様の基調が続く見込みで、官公庁工事は減少傾向が弱まるものの、民間工事では減少傾向がかなり強まる見通し。
 「資金繰り」は今期、厳しい傾向が続いており、来期も厳しい傾向が続くもよう。
 今期の「金融」は、銀行等貸出傾向で容易な傾向が強まっており、短期借入金は増加傾向が続いている。来期の銀行等貸出傾向は今期と同様、容易な傾向が続く見通し。短期借入金は、増加傾向から減少傾向に転じる見込みだ。
 また、「資材」関係は今期、資材の調達で困難な傾向がさらに強まっており、資材価格も上昇傾向が強まった。B・S・I値は資材の調達、価格ともに、過去10カ年の調査結果で最低の数値を記録した。来期は資材の調達で困難な傾向が続き、価格も上昇傾向が続く方向。
 今期の「労務」は、建設労働者の確保で困難な傾向が続いており、賃金も上昇傾向が強まった。来期は、労働者の確保で困難な傾向が強まる見通しであり、賃金は上昇傾向がやや弱まる見込み。
 「収益」は今期、減少傾向が顕著に強まった。減少の理由では、『完成工事高の減少』が引き続きトップだったが、『資材価格の上昇』との回答が徐々に増えており、1位に迫る勢いとなっている。来期の収益は、減少傾向がさらに強まるもようだ。
 今期の経営上の問題点は、『人手不足』が依然トップ。以下、『資材価格の上昇』、『受注の減少』、『従業員の高齢化』の順。前回調査と比較し、資材価格と受注減のウエイトが高まった。
 なお、自社の業況は今期、悪い傾向が続いており、来期は悪い傾向がかなり強まる見通しだ。

hokuriku