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建設経済新聞社
2023/01/31

【京都】消防署統合・移転、こども園整備に 舞鶴の国有地等活用でプラン策定

 舞鶴市の消防署の統合・移転整備とともに、官民が連携した認定こども園整備に向け、国有地・市有地を活用するプランがこのほど策定された。
 国公有財産の最適利用プラン(舞鶴市)については、国・市有地を活用した防災拠点及び子育て支援施設の整備を行うものとして令和4年10月に策定、12月開催の第133回国有財産近畿地方審議会に報告された。
 プランの基本方針によると、舞鶴市は、@老朽化が進む西消防署と東消防署中出張所の統合、A就学前児童数の推移や保育ニーズを踏まえ、私立の中舞鶴幼稚園と公立の中保育所の機能を集約した公私連携幼保連携型認定こども園の整備−を検討。
 @については、西消防署のエリアにある国有地を舞鶴市が取得し、新西消防署を整備。西消防署の跡地は消防倉庫等に活用する。
 Aについては、東消防署中出張所に隣接する国有地を舞鶴市に売却。舞鶴市は一体活用によりこども園を整備。
 このプランにより、国は国有地を処分、舞鶴市は防災拠点の整備やこども園の整備が可能となり、地域ニーズを踏まえた国公有財産の最適利用が実現できるとした。
 対象(計画)期間は令和4年度から6年度(新西消防署供用開始及びこども園開園までの期間)。
      ◇      
 これまでに明らかになっている内容をまとめると、舞鶴市は、西消防署と東消防署中出張所を統合し、新たな防災拠点となる新・西消防署として移転新築する。
 同市は、令和4年度当初予算に西消防署整備事業費1億1700万円を確保し、移転に向け実施設計に着手。また今回の整備においては、再エネの導入により、環境負荷の軽減、分散型エネルギー供給拠点の形成、エネルギーの自給自足による防災体制の強化を検討しており、その実現可能性調査も行う。
 市初のZEB化消防庁舎(ZEB Ready以上)を目指し、最適な再エネ設備の実現可能性調査等を行う西消防庁舎再生可能エネルギー導入調査設計を指名競争入札で令和4年4月に開札し、梓設計関西支社(大阪市北区)に決めた。設計工期は令和5年2月28日まで。
 新・西消防署は延2340uを想定。令和4年度の調査・設計を踏まえ、5年度から建設工事に着工し、6年度も継続して工事を進め、7年度の完成を予定。工事費(新庁舎・外構工事)は13億3000万円(税込)、工期は18ヵ月(令和5〜6年度)を見込む。
 当該国有地の譲与を巡っては、第43回旧軍港市国有財産処理審議会において審議され、近畿財務局長から「舞鶴市に所在する土地を舞鶴市に対し、消防署及び消防訓練場敷地として譲与すること」を諮問。「譲与することを適当と認める」とする答申がなされた。
 対象の国有地は舞鶴市字西小字西町108−1ほか2筆(昭和20年12月1日付で旧海軍省から引き受けた舞鶴鎮守府築港材料置場跡地等)の土地で面積は6379・25u。利用計画は「消防署及び消防訓練場敷地」。処理区分は譲与、契約方式は随意契約。用途指定期間は10年。
 当該国有地は、JR舞鶴線の西舞鶴駅の北西約1・2qに位置。国道175号沿いで、京都地方法務局舞鶴支局と舞鶴公共職業安定所(ハローワーク舞鶴)に挟まれた2つの土地。用途地域は準工業地域(建ぺい率60%、容積率200%)。
 旧軍港市国有財産処理審で明らかになった国有地の利用計画図によると、国道175号沿いの東側土地に庁舎棟(RC造2階建)、来庁者用駐車場、西側土地に消防ポンプ操法訓練場兼ヘリポート、倉庫棟(RC造2階建)、職員用駐車場を配置する予定。
 一方、官民連携の認定こども園については、舞鶴市立中保育所と私立中舞鶴幼稚園を機能統合し、新たに公私連携幼保連携型認定こども園を中総合会館周辺に整備する計画。
 対象施設は、園舎が築40年以上経過し老朽化した舞鶴市立中保育所(舞鶴市字余部下1063)と、学校法人常盤学園の私立中舞鶴幼稚園(舞鶴市字余部上116−3)。
 認定こども園の整備にあたっては、新たに国有地等の土地を購入するとともに、中総合会館駐車場や中舞鶴公園、東消防署中出張所を含む中総合会館周辺敷地を一体的に活用して実施する。教育・保育環境の向上に加え、中総合会館の慢性的な駐車場不足の解消を図るなど、公共施設の効率的な運営と市民サービスの更なる向上を図る。
 対象の国有地は舞鶴市字余部下小字余部下1191−1の土地2279・91u。
 市は令和4年度当初予算に9842万円を新規計上。建物調査業務委託費等842万円、用地取得費9000万円に充当。
 なお市は、令和4年3月議会の一般質問において、「公私連携幼保連携型認定こども園として令和7年度の開設に向けて整備を進めていく」と見通しを示していた。