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建設経済新聞社
2023/02/02

【京都】山村都市交流の森センターエリア等 活用事業者は花背山の家協会に決定

 公益財団法人京都市森林文化協会は1日、公募していた山村都市交流の森センターエリア等の活用事業者について、渇ヤ背山の家協会(代表取締役井上公人氏、京都市左京区)を選定したと発表した。応募は同社1社のみで、評価点は66・5点(100点満点)。
 同社の提案内容によると、案内休憩所を活用した地域住民が気軽に利用できる軽食喫茶、安定的な収益が見込めるBBQ、運営のノウハウを有している魚つかみ体験、四季を堪能できるようなイベントなど、確実に実施可能な事業から開始し、事業が軌道に乗った段階で他企業等とも連携しながら段階的に事業の拡大を進める。
 京都市森林文化協会とも協力し、アウトドアクッキングやトレッキング、乗り物による林道周回ツアーなど、周辺の地域資源を活用した取組を行う。また地域の特産品を扱ったマルシェやキッチンカーイベントの定期開催等を展開しながら、個人利用者やリピーターが増えるよう地域と協力し、地域の魅力発信を行う。
 地元自治会出資の民間企業として、地域行事やイベント時も協力し、地域の情報収集や他地域への情報発信を担う体制を構築。また地元雇用を優先的に行うとともに、災害時には地元各関係機関と協力し、災害対応の拠点としての機能を担うよう工夫する。
 コストを抑えながら利用者のニーズにあった改修を進めるため、地域木材を利用し、職員が直営により実施するとともに、他企業との連携等も視野に入れ、段階的に進める。
 貸付希望期間は10年。貸付希望価格は、森愛館が16万0578円/年、翠峰荘が95万円/年、案内休憩所が20万円/年。もくじゅについては当面は活用しない。
 活用事業者選定委員会の講評によると「企業として安定した財務状況であること、地元出資の企業であるため地域の想いを反映できる体制を有していること、野外活動施設花背山の家における事業実績が豊富であることなど、活用事業者としての適格性を高く評価する。事業計画は、さらなる検討が必要な取組もあるが、活用事業者の募集に至る経緯や目的を理解した取組が提案されている点を評価した」。
 左京区花脊の交流の森センターエリアの大部分は民有地で、その中の一部に官有地が含まれている。民有地については、地権者11人と京都市が地上権設定契約を締結しており、同契約の終期は令和12年10月末まで。面積は約1万5000u。都市計画区域外で、森林法第5条第1項に規定の対象森林(一部)。
 主な建物は、多目的ホールなどを収容する森林文化交流センター(森愛館)がRC造平屋建、680u(京都市所有)、会議室などを収容する森林文化交流センター(管理事務所)がW造地下1階地上1階建、延236u(京都市所有)、客室6室や大広間、大浴場、食堂などを収容する翠峰荘がW造2階建、延1163u(京都市森林文化協会所有)、木工教室、木工品の製造販売などを行う木材需要促進センター(森の工房「もくじゅ」)がW造2階建、延725u(京都市森林組合所有)、案内休憩所がW造2階建、延400u(京都市森林文化協会所有)。このほか、付帯施設として屋外公衆便所、屋外BBQ施設、養魚施設、ペレットボイラー施設、プレイゾーンがある。インフラ施設は上水施設(簡易水道)、下水施設(210人槽)、ガス施設(プロパン庫)、電気施設(設備容量250kVA)。
 予定スケジュールによると、基本協定の締結等は令和5年2月頃、地上権設定の延長は同年3月頃、貸付等契約の締結は同年4月頃、物件の引き渡し、事業の開始時期は同年4月以降を予定。
 なお市は、交流の森センターエリア等について、令和5年度から民間事業者等の運営による地域活性化を図るため、令和4年11月市会に京北森林公園を廃止する条例を提出し可決した。令和5年4月1日施行予定。