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建設経済新聞社
2023/02/08

【京都】チームラボミュージアム京都 S造5階建、延約1万uの新築 南区

 京都駅東南部エリアプロジェクト有限責任事業組合(代表組合員チームラボ叶E務執行者松本明耐氏、京都市中京区河原町通御池下ル下丸屋町390−2(代表組合員:東京都千代田区神田小川町2丁目12))は、京都市南区に計画するデジタルアート施設「(仮称)チームラボミュージアム京都新築工事」について、5月初旬頃からの着工を予定している。
 設計・施工は大成建設関西支店(大阪市中央区・06−6265−4593〔設計〕、06−6265−4535〔施工〕)。
 計画によると京都市南区東九条東岩本町19−1、21−5、25−21の敷地5093・49uを対象に、S造5階建(高さ22・93m)、延1万0001・91u(建築面積3912・87u)の美術館、事務所を建設する。
 開発地域は文化芸術を基軸としたまちづくりが進む京都駅東南部等文化芸術まちづくり推進地区に位置しており、アートミュージアムを整備することにより、若者を中心とした新たな人の流れを生み出し、京都市の掲げる「文化芸術都市・京都」の新たな文化ゾーンの創出に貢献する。
 深い軒の出をもつ屋根を2段にかけ、ボリュームを分節し周辺に調和させるとともに京都に相応しい外観とする。市街地型美観形成地区に定められる中・明度色の外壁により周辺環境との色彩的な調和を図る。道路に面した外構部分に植栽を施し、隣接する公園等とつながる緑の空間を創出する。
 道路境界から建物を後退させることで周辺住宅への日影や圧迫感の低減に配慮し、良好な住環境を考慮した計画とする。建物を後退させた道路側に植栽を施し、緑の環境を創出する。入り口に並び列が発生する場合には、道路側の植栽と建物の間のスペースを使用し、騒音や視線により周辺環境を阻害しないようにする。太陽光パネルの屋上設置、ガラス面の最小化、外装材の艶を考慮する等により光害を与えない計画とする。
 雨水貯留槽を設けることで、大雨の際の下水インフラへの負荷を低減し、地域の防災に貢献する。外構に適度な外灯を設け、夜間における防犯・安全性の向上に寄与する。
 完成は令和6年10月末頃の予定。

 同計画は、京都駅東南部エリアにおける京都市の市有地を活用する一環。対象地は今回の市有地Bと、その北向かいの市有地A(京都市南区東九条東岩本町15−3(敷地面積1486・97u))。市は公募型プロポーザル方式により令和3年3月、市有地の活用に係る土地貸付契約候補事業者としてデジタルアート・体験型アートを手がけるチームラボ鰍代表とする京都駅東南部エリアプロジェクト有限責任事業組合を選定し同年6月に基本協定を締結。令和4年5月、定期借地権設定契約を締結した。
 プロポーザル審査講評によると「チームラボが制作するデジタルアート作品を常設展示するデジタルアートミュージアムを開業することで、国内外から多くの来場者を呼び込み、京都駅東南部エリア全体に人の流れを生み出すことで、エリアの魅力向上と活性化に繋げようとする内容」「当該施設においては、今後、歩行空間としての整備が予定されている須原通沿いにエントランスを設けることで、京都駅からの動線をよりエリアの中心部へと導き、また須原通沿いから鑑賞できるアート作品を設置するなど、人の流れをエリア全体に波及させるための工夫が盛り込まれており、回遊性の向上が見込める」「道路を挟んで北側の用地に建設する文化的コラボレーションスペースでは、世界的なアートギャラリーの誘致をはじめ、市民ギャラリーなどを設けることで、多様な文化芸術関係者が集い、市民と交流する機会を創出することとしている。これはアートを『観る』から『体験する』に変化させ、令和5年度(10月)移転開学予定の京都市立芸術大学の学生をはじめとした若者、世界中の文化芸術関係者、地域住民が出会い、交差することで、新たな価値の創出を目指すもの。市民ギャラリーは自治連合会をはじめとする住民団体が地域活動で使用することも想定されており、当該ギャラリーが事業者と地域との接点となり、将来的にはエリアマネジメント組織へ参画するなど、地域のまちづくりに資するものとなっている」と評価された。
 なお、市有地Aには、エヌ・ティ・ティ都市開発梶iNTT都市開発/代表取締役社長辻上広志氏、東京都千代田区外神田4丁目14−1)がS造地下1階地上2階建(高さ約18・2m)、延約2100u(建築面積約1000u)のギャラリー(市民ギャラリー・アートセンター)の新築を計画。令和5年度から設計、5年度末頃から施設建設に着手。7年度の完成を見込む。