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建設経済新聞社
2023/02/21

【京都】植物園のハード整備の方向性 植物園会館増築など示す

 京都府は20日、府立植物園の再整備について、植物園会館の増築や観覧温室の建替えなど、ハード整備の方向性を明らかにした。
 府は、植物園が令和6年(2024年)に開園から100周年を迎えることを踏まえ、「生きた植物の博物館」の理念の下、ハード・ソフト両面を見据え策定した府立植物園100周年未来構想を具現化するため、幅広い視点から多様な意見を聴取することを目的に植物園整備検討に係る有識者懇話会(座長・岩科司前公益社団法人日本植物園協会会長)を設置。これまでに令和4年6月、8月、11月の計3回の会合を開催した。令和5年2月20日に開催した第4回会合で、植物園整備に向けた施策の具体的な方向性として、想定されるハード整備に基づく配置図案を示した。
 配置図案は、観覧温室を北側に配置する案、観覧温室を南側に配置する案の2案を示した。主な内容をみると、現在の植物園会館について、植物園会館A棟としてメインエントランスの正門と一体的に整備(入園しなくても府立植物園を楽しむことができる施設を配置)。ビジターセンター、展示室、レストラン、売店、図書コーナー、ボタニカルショップ等を想定する。
 増築棟となる植物園会館B棟は、快適性向上や植物理解を深めるための施設として整備。観覧温室北側配置案では正門西側に建設し、大屋根広場を観覧温室横に設置する。観覧温室南側配置案では観覧温室奥(北側)に建設し、大屋根と広場花壇を組み合わせた広場を設置する。
 正門から観覧温室まで雨に濡れることなく移動できるよう施設を配置。未来くん広場は大芝生地横に移転し、子どもエリア(きのこ文庫含む)と四阿を整備する。現観覧温室横の樹林地をどんぐり拾いができる森と位置づけ、ソフト機能を強化する。親子ガーデンを沈床花壇北に設置(子どもの森と一体で運用)。北山門の噴水等を水遊びエリアに変更する。
 新築建替えの観覧温室について、デザイン等は今後検討するが、100年持つ形状の温室を目指す。
 現在地の北側に建替える観覧温室北側配置案では、鏡池を修繕し、景観として活用。現在地の南側に建替える観覧温室南側配置案では、鏡池を廃止する。どちらの案でも周辺景観が見渡せるような機能を追加する。
 バックヤード充実のため、観覧温室建替えに合わせ、バックヤード温室を複数棟建替え。建替えに合わせ、「見せるバックヤード」を新築する。また植物多様性保全に資する系統保存のためのバックヤード温室を増築する。
 敷地北東側の北山門付近に標本庫、学習拠点棟(常設展示等)を新設する。園地北側の百年の木が多い場所にツリーウォークや木に触れるエリアを設置。植物生態園を多様性教育エリアと位置づけ、ソフト機能を強化、また京都賀茂川の自然が学べるエリアを設置し、ソフト機能を強化する。