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建通新聞社(神奈川)
2023/03/16

【神奈川】川崎市 新たなミュージアムの基本構想策定

 川崎市は、2019年の台風で被災した川崎市市民ミュージアムの移転に伴う新たなミュージアムの整備に向けて、基本構想を策定した。新たなミュージアムの活動イメージや事業展開などを示すとともに、開設候補地を生田緑地ばら苑の隣接地域とすることを明らかにした。今後は23年度内に基本計画を策定。施設の整備や管理運営には民間活力導入の可能性を検討しており、基本計画の中で整備手法の方向性を示す。24年度には管理運営計画を策定し、開館時期も含めた整備スケジュールを検討する。
 新たなミュージアムでは、収蔵庫や常設展示室、修復用諸室などの機能を1カ所に集約した拠点施設を「ミュージアム」として整備するとともに、既存施設などを活用して展示やイベントなどを行う「まちなかミュージアム」の活動を展開する。
 拠点施設には収蔵品の収集・保管、研究、展示などを行うための収蔵庫や資料整理室、研究室、常設展示室などを配置する。イベントスペースやカフェ、体験スペースや多目的スペースなども導入し、利用者の交流や文化芸術の普及・促進を目指す。
 施設の規模は1980年代から設置された公設の美術館の平均延べ床面積9746平方b以上を想定している。現在の市民ミュージアムの延べ床面積約1万9500平方bより縮小する見込みで、諸室の構成なども踏まえて適切な規模を検討していく。
 生田緑地ばら苑隣接地域は被災想定区域に指定されていないこと、敷地規模が確保できることに加え、周辺に文化施設や自然環境などがあり、生田緑地のコンセプトと親和性が高いと考えられることから、移転先の候補地に選定した。
 アクセス面の課題や生田緑地ビジョンなどの関連計画、民間事業者の向ヶ丘遊園跡地利用計画への影響なども踏まえ、開設地の決定に向けて検討を進める。
 既存の市民ミュージアムは鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ1万9542平方b。開館から30年以上が経過し老朽化への対応が課題となっていたところ、2019年の「令和元年東日本台風」で施設や収蔵品が浸水した。被災の状況を踏まえ、可能な限り被災リスクの少ない場所に新たなミュージアムを開設することを決定した。
提供:建通新聞社