トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2023/04/10

【石川】interview2023/将来性見据え、営業強化/大成建設金沢支店長/牛丸久史氏/グリーン・リニューアルZEB化を促進/富山・福井との連携も

 2023年、創業150周年を迎えた大手ゼネコンの大成建設。今月1日、この大きな節目の年に金沢市駅西本町に金沢支店を開設した。24年春に北陸新幹線敦賀開業を控え、歴史都市・金沢の将来のポテンシャルに対する期待感の表れだ。着任したばかりの牛丸久史支店長に新支店の営業戦略、今後の抱負を聞いた。
 大成建設の新たな支店開設は2000年の京都支店以来となる。金沢営業所が支店に昇格した格好だが、どのような狙いか。
 「金沢は北陸3県の中で最大の都市であり、2024年春に北陸新幹線の敦賀延伸、さらに将来の関西圏延伸も想定され、今後の投資拡大が期待されている。金沢市を中心とした石川県内には半導体や機械関連の工場をはじめ、大学、病院の建て替え、新築などの大規模投資案件が見込まれ、今回、この地域の位置付けを重視し、金沢支店を開設した」
 気候変動の影響で環境に対する取り組みが喫緊の課題になっている。大成建設はどのように対応していくのか。
 「当社は今年、創業150周年を迎えたが、これまで支えてくれたステークホルダーのお陰であり、感謝したい。大きな節目の年にグループ一丸となって、お客様の創造を超える価値提供にまい進していきたい」
 「特に今、皆さんが課題にしているのはカーボンニュートラルに向けての取り組みだ。新築時のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化、ZEF(ネット・ゼロ・エネルギー・ファクトリー)化はもちろん、既存建物改修時のZEB化、当社ではグリーン・リニューアルZEBと呼んでいるが、そのあたりに力を入れていきたい。現在、当社の横浜、関西支店は改修工事に併せ、ZEB化を行っており、グリーン・リニューアルZEBを実際に見てもらうことができる」
 コロナ禍、ウクライナ問題の影響などで建設資材が高騰する中、2024年問題が迫ってきている。
 「2024年問題はとても重要。当社としても建設現場における生産性向上に力を注いでいる。無人化や省人化の技術革新、遠隔巡視システムである四足歩行ロボットなど現場作業のIT化を強力に進めており、人手不足解消、技術者の高齢者対策に取り組んでいる」
 石川県庁舎行政庁舎や金沢全日空ホテル(現・ANAクラウンプラザホテル金沢)など、現場経験の思い出が多い土地での支店長就任。今後の支店運営はどのように。
 「金沢支店開設は相川善郎社長の強い意思で一年前から準備を進めてきたものだ。金沢、石川県内の営業力を強化するという意味では神戸、京都支店と並ぶ位置付け。3月、東京で異動あいさつを行ったが、「金沢はいいね」という言葉をたくさん頂いた。隣県の富山、福井との連携も強化しながら、受注拡大に全力を挙げていきたい」
 うしまる・ひさし 1966年8月、富山市生まれ。89年に大成建設入社。石川、富山など北信越管内で勤務後、2018年から本社建築営業本部で営業を担当し、4月から金沢支店長。

hokuriku