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建通新聞社(神奈川)
2023/04/25

【神奈川】横浜市 保土ケ谷工場再整備DBを公告

 横浜市資源循環局は4月25日、ごみ焼却工場である保土ケ谷工場再整備の総合評価方式一般競争入札を公告した。設計施工一括発注方式でWTO対象案件。5月9日まで現地確認の申し込みを、31日まで入札参加申請を、10月27〜31日に提案図書を受け付ける。12月25日にプレゼンテーションとヒアリングを行った上で、2024年1月9日に開札し、2月に落札予定者を決定する。予定価格は679億9000万円。
 業務名は「保土ケ谷工場(仮称)改築工事」。
 参加できるのは、プラント設備の設計を含む機械器具設置工事を担当する1者と建築工事3〜6者、解体工事3者、建築設計1者以上で構成する特定建設共同企業体。各構成員に対し担当する工事の業務実績や経審の総合評定値について要件を定めた。
 工期は24年5月〜31年3月31日。想定スケジュールは、24〜26年度に設計、並行して25年度から既存施設の解体に着手し、30年度の供用開始を目指す。
 再整備の基本方針は、@安全で安定したごみ処理を行うA地域に根ざすB脱炭素社会の一翼を担う―焼却工場とすること。新工場の処理能力は1日当たり1050d。プラスチックごみが減少すると推測し、現在の1200dから規模を縮小する。
 焼却炉は全連続ストーカ式3炉、燃焼ガス冷却方式は排熱ボイラ式とする。ごみ焼却で発生した熱は、狩場緑風荘と保土ケ谷プールで活用する。
 この他、工場見学者がごみ処理を学べるスペースの提案も求める。
 保土ケ谷工場は1980年に完成した。ごみ量が減少したことに伴い、2010年に稼働を停止。現在はごみの中継輸送施設として利用している。都筑工場が28年頃に停止することを見据え、再整備することとした。
 建設地は保土ケ谷区狩場町295ノ2。
 発注者支援業務は建設技術研究所(横浜市中区)が担当する。
 解体する既存の工場の規模は次の通り。
 ▽工場棟―鉄骨鉄筋コンクリート+鉄筋コンクリート+鉄骨造地下3階地上5階建て延べ2万4370平方b
 ▽管理棟―鉄筋コンクリート造2階建て延べ1601平方b
 ▽排水処理棟―鉄筋コンクリート造2階建て延べ319平方b
 ▽煙突―外筒鉄筋コンクリート、内筒鋼板製の3筒連立煙突、高さ115b
 ▽事務所棟―鉄筋コンクリート造2階建て延べ1429平方b
 ▽宿舎棟―鉄筋コンクリート造4階建て(32戸)延べ1585平方b
 ▽その他付属棟―計量棟や油庫など延べ587平方b
 
〜旭と金沢工場、長寿命化見込む〜
 
 横浜市は、03年に策定した横浜市一般廃棄物処理計画(G30プラン)で、分別・リサイクルを推進してごみ量を減らす方針を示した。ごみ量の減少に伴い、05年に栄工場、06年に港南工場、10年に保土ケ谷工場を停止し、現在は都筑工場と鶴見工場、旭工場、金沢工場の4工場が稼働している。
 工場施設の耐用年数は30年程度と言われる。1984年に稼働した都筑工場では長寿命化対策を実施したが、28年度ごろに寿命を迎える。停止した場合、残る3工場ではごみを処理しきれないため、都筑工場の停止に先立ち、保土ケ谷工場を再整備することとした。
 残る3工場について、鶴見工場は長寿命化対策を終えている。今後、築後20年を超える旭工場と金沢工場の超寿命化対策の検討を開始する見通しだ。

提供:建通新聞社