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北陸工業新聞社
2023/05/01

【新潟】春の叙勲佐久間氏、田村氏に旭双章

 2023年春の叙勲受章者が発表され、新潟県内からは旭日双光章(専門工事業振興功労)として、元新潟県左官業協同組合理事長の佐久間義晴氏(佐久間工業代表取締役)と、元全国鉄筋工事業協会常任理事を務めた田村定弘氏(田村工務店相談役)が選ばれた。両氏ともに長年にわたり業界の発展はもとより、後進の育成・指導、技術の伝承などのほか、関係団体の役員として事業の推進に貢献してきたことが認められた。

賃上げ、週休2日実現を/田村工務店/相談役/田村定弘氏
 「非常に嬉しく、身が引き締まる思い」と照れながらも喜びをかみしめる。
 新潟県鉄筋業協同組合の理事長を15年間務めた。「建物の強度を保つために鉄筋は重要な部材。作業員が高所で安全帯誤使用など不安全行動を発見した時は直接指導したり、元請に忠告する時もある」と話し、現場では安全第一をモットーに鋭い目を光らせる。
 喫緊の課題に技能者の処遇改善と若者の建設業離れを挙げ「賃上げや週休2日を実現して、入職しやすい雇用環境を整備する必要がある」と語る。
 たむら・さだひろ 70歳。新潟市出身。高校卒業後、田村工務店に入社。1988年に代表取締役社長、2011年から相談役。08年に建設事業関係功労者等国土交通大臣表彰、18年に職業能力開発関係厚生労働大臣表彰(技能検定関係)を受賞。 

地道な活動続け恩返し/佐久間工業/代表取締役/佐久間義晴氏
 「どうして受章できたのか分からない。周囲の皆さんの協力、支えがあってこそ。大変感謝している」とかみしめる。
 左官業界の現状には「新規入職者が入らない。職人の高齢化も進み、高校の出前講座など地道な活動を続けなければならない。もっと左官の歴史を知ってもらいたい」と期待を込め、業界に恩返しする決意だ。これまで数多くの現場の中から印象に残る工事の1つとして、日本庭園「天寿園」(新潟市中央区)を挙げ「石こうの置き引き、型抜き、床の洗い出しなど伝統的な技能が凝縮されている」と胸を張る。
 さくま・よしはる 1948年生まれ。75歳。新潟市出身。新潟県建設専門工事業団体連合会専務理事、元新潟県左官業協同組合理事長。2017年には国土交通大臣表彰建設事業関係功労(建設業関連)を受賞。

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