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建設経済新聞社
2023/05/02

【京都】新文化ホールの建設予定地 厚生会館用地に決まる 概算工事費は45〜50億円想定

 福知山市は4月27日、第8回新文化ホール基本構想・基本計画検討委員会を開催。厚生会館用地を新文化ホールの建設予定地とする基本計画案を報告した。
 候補地として、厚生会館を含む市街地3ヵ所、郊外3ヵ所の6ヵ所について検討委で比較検討。市街地エリアに立地し、利便性が高く日常的に立ち寄りやすいこと、周辺の公共施設との連携やまちなかの回遊が容易であること、御霊公園に隣接し、歴史的にも文化の中心となってきたエリアであり、これまでの福知山市のまちづくりとの整合性を図ることができることから、厚生会館用地を建設予定地に決定した。
 厚生会館(福知山市中ノ(西中ノ町)170−5)は、用途地域が準工業地域で建ぺい率60%、容積率200%。東側隣地(近隣商業地域)に日影規制がある。立地適正化計画において都市機能誘導区域に位置付けられている。敷地面積は2964uで、東西が38m、南北が66〜68m。前面道路は南側が2車線(W12m)、東側が2車線(W5m)。JR福知山駅からの距離は約1q。
 施設整備における留意事項として、▽(隣接する)御霊公園は日常的な市民の憩いの場であるとともに、近隣には一般住宅や施設があり、市民の往来が多いことから、建物による日影や圧迫感の軽減に配慮する▽周囲の商店街や公園などとのつながりに配慮し、周囲に賑わいが派生していく施設計画とする▽搬出入する大型車両やバス、来場者の自家用車の集中による混雑や騒音、振動などの影響に配慮した計画とする▽浸水が想定される敷地であることから、地域の防災拠点として機能する施設計画とするとともに、災害後も施設機能を損なわないよう対策を検討するを挙げた。
 施設配置計画作成にあたっての留意事項は、▽法的な制約から、フライタワーなどの建物の高さが高くなる部分は敷地の南側に配置する必要がある▽100年に一度の大雨により想定される最大浸水深(3〜5m、総合防災ハザードマップによる)では施設機能を損なわないように施設の階構成を検討する。
 施設規模は、▽ホール機能(客席、舞台及び舞台裏、ホワイエ関係、楽屋関係、技術諸室)2300u▽創造活動機能(リハーサル室、練習室、創作室)等500u▽交流機能(エントランスロビー、市民交流スペース、キッズスペース、情報スペース、飲食スペース)300u、管理運営機能(管理事務所)100u、防災対応機能(避難所機能)100u、共用部1100u、設備機械室600uで、合計5000u程度とした。解体する現厚生会館はRC造地下1階地上3階建、延3763u(建築面積2170u)。
 概算建設工事費について、近年整備された劇場施設の実績から建設工事費単価を計算(1u当たり90〜100万円)。これに新文化ホールの想定延床面積5000uを乗じ、建設工事費は約45億円〜50億円と想定し、このほか設計費や解体工事費、駐車場など外構整備費、備品購入費などが必要になるとした。
 発注方式について、PFI方式は事業期間が長くなる傾向があることから、現厚生会館の老朽化や文化施設の早急な整備を求める意見も踏まえ、比較的事業期間を短くすることができる直接発注方式を採用。
 設計の各段階で確実に方向性を反映できることと、発注までの期間を短く抑えることができることから、設計施工を個別に発注する従来方式を採用する。
 基本計画時点での整備スケジュールは、令和5年度から新文化ホールの基本設計に着手、6年度から現厚生会館の解体設計を経て解体工事を7年度前半頃まで進めるとともに、6年度中頃から新文化ホールの実施設計を7年度前半頃まで進める。建設工事は令和7年度中頃から9年度末を見込み、10年度の開館を目指す。
 福知山市新文化ホール整備基本構想・基本計画策定支援業務はシアターワークショップ(東京都渋谷区)。