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北陸工業新聞社
2023/05/02

【富山】ウエノ/実習の場と最新機器を提供/県立大生が用水で流量観測

 ウエノ(高岡市問屋町、上野貴司代表取締役)は4月28日、富山県立大学環境・社会基盤工学科の吉見和紘講師のゼミが行う学外実習に協力した。
 同社は、学生に最新の機器に触れながら実際の現場を経験してほしいと2021年から実習を受け入れている。県立大は初めて。この日は、2年生で行うトピックゼミの学生10人と研究室の4年生3人の合わせて13人が参加した。農業用水の水位流量観測実習を、同社そばを流れる農業用水井口八ケ用水路を用い実施。河川管理に不可欠な基本情報の観測方法について学んだ。
 座学で、流量観測での水深計測で用いる水位標や水圧式水位計の取り扱いや、流速観測の浮子法、プロペラ式流速計、電波式流速計の3つの手法についての説明を受けた後、現場に移動。仮設の観測所で座学で学んだ水位と流速を、同社の社員の「チームでの意思疎通が重要」などと指導を受けながら順に試みた。流速は、ピンポン玉を浮子に代用して用水の5メートル間の時間を計り、数値を流量観測野帳を簡易にした計算書に記入して流量を算出した。
 上野代表取締役は「大学の講義は理論ベースが基本だと思うが、少し発展させて理論だけでは気が付かない部分を、この実習を通じて補強してほしい。今日は上手くいかなくてもいい、理論通りいかないのは、なぜか考える気付きの場ともなるだろう。実習の中で身に付けたことが卒業後のそれぞれの分野で役立てばうれしい」と開催の意義を強調し、今後も教育機関への協力を続けていきたいとする。
 吉見講師は「実社会に直に触れながら、地域の課題を解決するというトピックゼミの趣旨に協力いただけて感謝したい。教科書と自然現象の違いを感じてほしいし、一般企業で働くみなさんと一緒に現場で活動できる意義も大きい」と話した。

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