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建通新聞社四国
2023/05/26

【徳島】後藤田新知事が就任 公平・忠実・透明に 

 4月の選挙で当選した後藤田正純徳島県知事は5月18日、就任会見を開き、公約で見直しを掲げた新ホールについて「まずは現場の声を聞き、事業費や工期が県民に伝わっていたのかを見ながら、公平・忠実・透明に、建設的な議論を進めたい」と語った。また「県土整備部が専門的な知見を持っている」とし「県民の皆さまと共に作品を作っていきたい」と述べた。翌19日から6月補正予算編成へ関係部局との協議を開始している。
 新ホールの事業費は既に2023〜26年度継続費に197億9300万円を設定。設計・施工者は熊谷組を代表企業とする共同企業体で8月に実施設計を終える見通し。工事は3工区に分けて計画しており、当初の工期に対し21年秋の基本設計契約時に、第1工区26年2月末、第2・第3工区を同9月末に延長することを公表していた。
 後藤田知事は、事業費を200億で収めるとしているが、建設資材の価格高騰で「事業費が増えることが県民に伝わっているのか」。さまざまな見通しの一つ「新ホールの工期が28年までかかってしまう場合、今の工期ですら正確に報道されていないことになる」とし、「事業費がいくらで、いつまでに完成するのか明確にしたい」と自身の考えを示した。加えて「外部コンサルタントに、DBOが可能か、工期と最終的な事業費を確認し、県議会と県民の意見を聞きながら専門性のある精査をして県民に公開したい」とした。
 さらに景観美よりも機能美を重視した事例、早く施設を建設する案や他の施設の事例を挙げ「物価高騰対策の在り方の参考になるのでは」と述べた。他県の施設で増大した事業費に対応して、内容を削減しても本来より少し多い金額となった事例を挙げ、「県土整備部の専門的知見で考えほしい」と語った。
 県がJRに要望し徳島市役所横に計画する新駅は、公約では中止としていた。ただし「まずは現場の声を聞く。ポジティブな話として徳島駅裏の開発を進めたい」とした。関連する鉄道高架事業に対しては「事業化から何十年もかかっている。費用対効果も考えると不動産の価値を上げるか四国新幹線を導入しないと厳しいのでは」と意見を述べた。
 公約で推進する方針を掲げたアリーナ計画は、他県の事例を挙げた上で「徳島市の考え方を聞いてみたい」とし、「他市町村からの意見もある。選択肢を広く持っていたい」と、現候補地以外での含みを残した。
 徳島市らが計画していた広域ごみ処理施設は連絡会議が解散となり、現在は各自治体での建設に向けた検討や調査が始まっている。後藤田知事は「県民の負担が増えてしまう場合は問題」とし、その場合「県が再調整する必要がある。津波による被害も心配」と述べ、「国に補助金などの確認をしたい」と答えた。
 後藤田知事は18日が初登庁。会見は冒頭、率直な気持ちとして「私自身ワクワクしている」と述べ、各質問に答えた。
提供:建通新聞社