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建設経済新聞社
2023/05/29

【京都】城陽の城南団地建替え事業 解体工事経て建設工事着手

 京都府は、城陽市の府営住宅城南団地整備事業について、令和5年度は3号棟、4号棟建替えのための実施設計を行うとともに、入居者の仮移転を実施し、解体工事を経て建設工事にとりかかる考え。
 城南団地(城陽市寺田林ノ口、寺田深谷、寺田宮ノ谷)は、昭和41〜42年度に建設された府営住宅(昭和41年度築が1棟、42年度築が3棟)。管理戸数は4棟(RC造5階建)の175戸で、うち入居者戸数は80戸。
 建設から約56・57年が経過し、老朽化が進行。現在の耐震基準に適合していない上、住棟及び住戸の設備等も古く、バリアフリーに対応していない。これらに加え、入居者の高齢化などにより、コミュニティの維持が困難になっている。
 このような状況に対応するため、建替えを行い、良質な住環境を整備することで、入居者の生活の安定に寄与するとともに、若い世代や子育て世帯の新規入居により、周辺地域を含めたコミュニティの活性化につなげる計画。
 敷地面積は約1・0fで、用途地域は第1種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率80%)。最高高さ10mの制限があり、周辺住環境を保護する日影規制等の現行法令に適合するため、第1期工事として、北側エリアの住棟2棟80戸を解体し、RC造5階建からW造3階建とする。W造3階建の住棟は京都府の府営住宅として初の試み。
 耐震性確保やバリアフリー化、最新設備機器の導入のほか、府内産木材を積極的に活用し、癒やしをもたらす住棟を整備。脱炭素化社会に向けた省エネ・創エネ設備を整備(ZEH化、太陽光発電設備)。高齢者やファミリー世帯が生活しやすい多様な住戸タイプを整備する(2K(約40u)、2DK(約50u)、3DK(約65u))。地域交流の場となる広場、集会所を整備する。
 現入居者に仮移転をしてもらいながらの建替えとなるため、工区を3つに区切り、順次建替えを実施。全体計画として現4棟175戸を解体し、4棟110戸を建設する。
 第1期工事で北側の現3、4号棟の2棟80戸を解体し、府内産木材によるW造3階建の2棟50戸を建設。第2期工事で現2号棟を解体し、新2号棟を建設、第3期工事で現1号棟を解体し、新1号棟を建設する(新1号棟、新2号棟で計60戸)。
 第1期工事は令和5〜7年度、第2期工事は令和7〜9年度、第3期工事は令和9〜11年度を予定。
 概算事業費は約34億円を見込む。
 城南団地整備事業については、3月開催の京都府公共事業評価に係る第三者委員会において、事業着手前の事前評価として審議された。
 令和4年度は4400万円の事業費を確保。測量業務を令和4年9月に入札し、ユーズ(京都市下京区)で実施。基本計画策定と基本設計、既存施設解体実施設計を行う業務も令和4年9月に入札し、三宅建築事務所(京都市左京区)で実施。
 令和5年度当初予算には3億5473万3000円を計上するとともに、限度額11億1400万円の債務負担行為を設定した。