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建通新聞社(神奈川)
2023/07/03

横浜市 防犯灯包括的維持管理でPPP検討

 横浜市市民局は、市内に18万灯あるLED防犯灯の更新時期が迫っていることから、包括的維持管理にPFIなどの導入を検討する。秋にも民間事業者の参加意欲やアイデアを尋ねるサウンディング調査を実施。本年度中にもPFI導入の可否を判断する。導入が決まれば2027年度に事業化する方針だ。
 包括的維持管理では、LED防犯灯の更新や新設・撤去の他、不具合の通報受付や現地調査、修理、関係団体との各種連絡調整などを委託する。
 市は、灯具のみ管理する電柱共架型の防犯灯約16万灯と鋼管ポールの独立柱型防犯灯約2万灯、合計18万灯全てでLED化を終えた。
 08年までは自治会町内会が防犯灯を管理していたが、LED化改修を進めるため、09年から市に移管。09〜13年度の5年間で約4万5000灯をLED化したが、直営事業では全ての防犯灯をLED化するのに時間を要するため、ESCO事業を導入した。電柱共架型タイプのESCO事業の実施事業者は東芝エレベーターで、14年度に11・6万灯をLED化した上で15〜24年度の10年間の維持管理を担う。鋼管ポールのESCO事業者は川本工業で、16年度に1・9万灯をLED化し、17〜26年度の維持管理を行う。
 ただ、LED照明の耐用年数は15年程度と言われ、ESCO事業で14年度に一斉更新した電柱共架型約12万灯の更新時期が30年度に迫る。市は約30億円の更新費が必要になると試算している。鋼管ポール約2万灯も32年度に更新時期を迎え、更新費は6億円程度と見込む。いずれも直営で更新を行うのは難しいことから、PFIなどのPPP手法を導入した包括的維持管理の導入を検討することとした。
 PFI事業とするに当たっての最大の課題は、LED防犯灯の包括的維持管理を通して、企業がどのように利益を確保するか。実現に向けては、例えば、防犯灯とデジタル技術を組み合わせることで新たなビジネスを創出するなどこれまでにない視点が必要になるとみており、サウンディング調査で可能性を探る。
 対話の結果を踏まえて、本年度にもPFIが導入できるか判断。導入を決定した場合は、24年度以降に実施方針などをまとめ、鋼管ポールのESCO事業が終了した後、27年度の事業開始を目指す。

提供:建通新聞社