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建通新聞社(中部)
2023/07/13

【愛知】名市大滝子キャンパス 山下設計のJVで

名古屋市立大学は7月11日、滝子キャンパス施設再編整備に向けた基本・実施設計の公募型プロポーザルの選定結果を公表し、山下設計・FULL POWER STUDIO共同企業体(名古屋市中区)と契約を交わしたことを明らかにした。講評では、現地調査を踏まえて都市景観との調和・周辺への影響を抑えている点を高く評価。また、キャンパス内部では既存樹木や古墳との関係性を生かした配置をはじめ、敷地条件に即した提案などが優れているとした。契約額は3億9700万円、契約日は5月10日。
 提案概要によると、大講義室を(仮称)共同棟1階に配置することで、(仮称)新3号館を敷地外周からセットバックして最大5層に抑えて低層化。周辺環境に配慮し、景観と調和する学びの丘とする考えを提案した。旧制八高正門跡や古墳といった、歴史・文化・記憶を継承し、未来に繋ぐ建物・外構デザインを行うとともに、より良い生態系維持環境を創出する貴重な緑化資源の維持・保存を図るとしている。また、共同棟・新3号館は八高正門跡から南北に延びる「山の畑モール(仮称)」を介して各棟や広場につながる配置とした。
 共同棟の整備に関する考え方では、異なるエリアや階をゆるやかにつなぐ4つのゾーニングを提案。教育・研究機能と市民開放を両立する図書館を配置する考えも示した。4つのエリアは▽静かな学習エリア▽にぎやかな議論・学部発信エリア▽緑をのぞむ屋外リチャージエリア▽ゆるやかに各エリアや上下階をつなぐ中間エリア―。
 新3号館は食堂を1階に配置。共同棟1階に設ける大講義室とともに、アクセスしやすい1階に市民が利用できるスペースを集約配置することで、人を呼び込む仕掛けを盛り込んだ。
 環境設備では、環境データを画像センサー・環境センサーで取得・解析して運用に生かすBEMSの導入など、将来を見据えた提案を行っている。


提供:建通新聞社