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北陸工業新聞社
2023/07/13

【新潟】脱炭素へ国内初の試み/INPEX/ブルー水素等プラント(柏崎)起工式

 INPEX(東京都港区)が柏崎市東柏崎ガス田平井地区に計画する「ブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験」プラントの起工式が12日、現地で行われた。
 当日は同社、EPC事業者の日揮と第一実業、植木組など工事関係者をはじめ、櫻井雅浩市長ら柏崎市関係者など約60人が出席し、工事での無事故を祈念した。
 神事は滞りなく進行し、地鎮之儀では斎鎌を同社の滝本俊明取締役常務執行役員、斎鍬を日揮の山口康春取締役副社長執行役員、斎鋤を植木組の植木義明代表取締役社長が行った。
 滝本常務は「クリーンな水素やアンモニアの製造を全国、世界に先駆けて行う新しい取り組み。地元である新潟県や柏崎市の皆さんからご支援頂き、工事の安全な完工とともに実証試験の成功につなげたい」と意気込みを語った。また、櫻井市長は柏崎市が旧日本石油の創業の地、原子力産業のまちであることに思いを馳せ、「エネルギーの歴史を抱いてきた市にとって、(当事業の実施は)大変ありがたく名誉な話。世界的な脱炭素、国のGXへの動きに市として貢献できるものと期待している」と述べた。
 プラントの建築物棟数は8棟で延べ面積は1933・11平方メートル、生産施設設置面積は4183・39平方メートル。2025年3月ごろの完成、8月ごろの稼働を目指す。製造時のCO2排出を実質ゼロとする「ブルー水素」「ブルーアンモニア」の製造、枯渇ガス田の貯留槽へのCO2圧入(CCUS)実施、水素発電での利用までを一貫して実証するもので、国内では初。国産の水素・アンモニア製造を通じ、日本のエネルギーセキュリティにも貢献していく考えだ。
 同社が南長岡ガス田で生産し既存のパイプラインで運んだ天然ガスを原料に、年間700トンの水素を製造。その際、副次的に発生するCO2を回収し、東柏崎ガス田平井地区でCCUSを行うことでCO2排出量を実質ゼロとする。また、製造した水素のうち100トンをアンモニア製造、残りの600トンを水素発電に使う。発電量は一般家庭約300世帯分の約1000キロワットを想定。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の助成事業。
 造成設計はアイテック(柏崎市藤井)、敷地造成は植木組が担当。なお、地上設備の多くを日揮、アンモニア製造設備は第一実業が請け負う。

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