トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

鹿児島建設新聞
2023/07/13

【鹿児島】プロジェクトを追う 鹿児島市のスタジアム問題

 鹿児島ユナイテッドFCのクラブライセンスは、スタジアムの新設を前提として交付され、取得から6年が経過。その間、前の森博幸市長が掲げた本港区の3カ所(県有地2カ所、私有地1カ所)を候補地に可能性を探っていたが全て断念した経緯がある。
 その結果、北ふ頭案(県有地)となったが、港湾計画変更に約10年、その後、上屋等の撤去、建設となると相当の時間が必要なことから、候補地の選定に苦慮している。
 下鶴市長は「(Jリーグに対して)整備に向けた本気度を見せたい」と意気込むが、北ふ頭の整備では、@グランドデザインとの 整合性A港湾機能の維持・確保娃などの課題がある。7月に設立を見込んでいる新たな協議会を通じて解決方法を探る考えで、8月ごろからゾーニング素案の協議が本格化される県の検討委員会で、エンターテインメントゾーンの位置付けを目指す。
 全国を見渡せば、スタジアム問題で昇格が危惧されている地方都市チームは多い。ブラウブリッツ秋田やテゲバジャーロ宮崎、いわてグルージャ盛岡、藤枝MYFCなどがある。大手スポンサーによりスタジアム整備が着々と進むV・ファーレン長崎などとは対照的だ。
 また、一石を投じるのが日本代表監督を経験した岡田武史氏がオーナーを務めるFC今治の今治里山スタジアム。場所は山間部でドッグランや観光農園等を併設。規模も今後、拡張できるスペースを残している。新たな視点が必要なのかもしれない。


■県、市議会の動き
 旧木材港区での可能性追求

 県議会では埋め立てが進む旧木材港区での整備可能性について第2回定例会で追求した。周辺にはイオンモール鹿児島、クルーズ船が寄港するマリンポートかごしま等が立地。今後の土地利用計画に目が離せない。
 また、市議会では谷山地区住民から、喜入町の鹿児島ユナイテッドFCトレーニングセンターや中山町の県立サッカー・ラグビー場にも近いということもあり、県農業試験場跡地を要望。
 「都心部の周辺や副都心、およびその周辺も検討すべき」との指摘もあるが、下鶴市長は「アクセスや街との連続性、回遊性などの面で都心部が望ましい」と考えを変えない。


鹿児島建設新聞space鹿児島建設新聞FACEBOOK