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建通新聞社四国
2023/08/18

【高知】仁淀川水系 流域治水PJ2・0(案)を示す 

 国土交通省高知河川国道事務所と県、流域自治体などで構成される仁淀川水系流域治水協議会は8月7日、第12回の会合を開き、大渡ダムの再生や八田堰改築、伊野堤防の強靱化、河川防災ステーション(MIZBEステーション)の整備などの項目を新規に追加した「仁淀川流域治水プロジェクト2・0」(案)について意見を交わした。1級河川の治水対策見直しは全国的に進んでおり、四国では仁淀川水系が初めての取り組みとなっている。
 本川対策では、気候変動を考慮し、洪水調節流量を毎秒約2000立方bに、河道配分流量のうち伊野地点で毎秒1万3300立方bへと計画目標を見直した。一方で中島地点は現行の計画である目標毎秒1万2900立方bを踏襲した。それぞれの計画目標に沿った整備を検討しており、洪水調節施設では大渡ダムの放流設備増強、下流堤防整備、越知地区で遊水地を新設する。
 治水・環境・河川利用を十分考慮し、波川緑地公園、桜堤公園付近など伊野地点で河道掘削を追加するとともに、景観などに配慮しながら、八田堰を改築し流下能力を向上させる。また、高岡地区で遊水地を整備することで追加の河道掘削を縮減し、環境負担を軽減する。
 洪水被害リスクの高さが懸念されるいの町中心市街地では護岸整備、高水敷拡幅による堤防強靱化を実施する。危機管理対応の強化として、土佐市中島地区でMIZBEステーションを整備する。平常時は水防関係者や住民らが活用し、地域のにぎわい創出に役立てる一方、緊急復旧用資材備蓄基地や洪水時の現地対策本部として活用する。
 主要3支川での対策として、波介川では田んぼダムの推進、土地利用規制の検討を実施。宇治川、日下川では雨水排水ポンプの増強とともに、特定都市河川の指定などに取り組む。
 今後、協議会で指摘された意見などを「仁淀川流域治水プロジェクト2・0」(案)に反映し、8月中の策定・公表を目指す。
提供:建通新聞社