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建設新聞社(長崎)
2023/08/29

【長崎】建災防長崎県支部と県立関係6高校 労働安全衛生活動の推進で協定締結

技術・知識だけでなく安全・衛生意識も
建災防谷村支部長
 建設業労働災害防止協会長崎県支部(谷村隆三支部長)は、県立関係高校6校と「相互連携による労働安全衛生活動の推進に関する協定書」を締結した。22日に、(一社)長崎県建設業協会、(公財)長崎県建設技術研究センター、長崎労働局労働基準部、長崎県土木部・教育庁の関係者も参加し、大村工業高校で締結式が行われた。

 建設キャリア教育の一環として、労働安全衛生教育や建設現場で必要な資格取得に関して連携し、労働災害防止への理解と啓蒙啓発を目的としたもの。協定を締結したのは、上五島高校、諫早農業高校、佐世保工業高校、鹿町工業高校、島原工業高校、大村工業高校の6校で、同協定は、昨年8月に全国で初めて長崎工業高校と締結。今回の協定はこれに続くもので、関係する県内県立高校すべてと協定を結んだことになる。

 締結式で谷村支部長は、前年の休業4日以上の死傷災害のうち、20歳代以下が14%を占めている事などに触れ、「建設産業への入職は建設技術・知識だけでなく、安全と衛生の意識を併せ持つ必要がある」と、工業高校との連携協定締結の意義を説明し、関係する全高校との協定締結に尽力した関係者に深く感謝した。

 その上で「これからはオンラインも活用しながら、(先行して取り組んだ)長崎工業高校の事例・経験を参考に、できることから取り組みたい。県内建設業は技術者・人手不足が続いている。新卒者を受け入れる余地は県内各地に充分ある。就業環境も年々改善されている。(各校の生徒が)県内建設業に入職し、共にふるさとのために取り組むことを願っている」と話した。
鹿町工業高田校長
 続いて、協定書を取り交わした6校の校長を代表し、鹿町工業高校の高田佳男校長があいさつ。今回の協定で、労働安全衛生教育や資格取得などが、「これまで以上に充実したものになる」と期待。さらに「ものづくりに携わる技能・技術者育成の使命を担う専門高校で、安全衛生教育は専門教育の基本。生徒たちにとっては、建設業界で取り組まれている労働安全衛生活動に直接触れられる機会、先生方にとっても指導力向上に繋がる意義深い事となる」と述べ、関係者の支援に感謝するとともに、今後の活動について引き続いた協力を求めた。

締結式参加者
 建設業の死亡災害が減少傾向にある一方で、死傷者数はこの15年間ほぼ横ばい状態で微増減を繰り返している状況の中、建災防県支部は、今回の協定により、座学だけでなく、▽資格取得の支援▽現場安全パトロールの見学▽安全実技体験▽安全大会への参加―などにより、生徒たちに労働災害安全の大切さをより深く理解してもらうことを目指している。長期的には、卒業生が現場代理人として現場での安全意識を醸成していくことで、労働災害の減少に繋がっていく事を期待している。
ksrogo