トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設新聞社
2023/08/31

【東北・福島】福島県が双葉地域の中核的病院建設の方針示す

 福島県病院局は、福島第一原子力発電所が立地する双葉地域における医療体制の再構築に向け、大熊町で休止中の県立大野病院を含む周辺エリアを候補地とし、250床前後の新病院を建設する方針を示した。
 30日に福島市で開かれた「第5回双葉地域における中核的病院のあり方検討会議」で明らかにしたもので、今後、10月ごろ開催の第6回検討会議を経て基本構想を取りまとめる。公募型プロポーザル方式で基本計画を発注するとともに、2024年〜25年に大野病院解体(設計含む)、24年〜26年度かけて調査、基本・実施設計を作成し、早ければ26年度にも造成、建築工事に着工したい考えだ。
 双葉地域は福島第一原子力発電所事故の影響で、中核的病院だった大野病院をはじめ多くの医療機関が休止し、他地域の医療機関に依存している状況。県は大野病院の後継施設となる中核的病院の整備に向け、本年度に基本構想・基本計画策定業務を野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリーに委託した。
 候補地は大野病院エリアと旧大熊町役場エリアに絞り交通アクセスや拡張可能性などの比較検討を行った結果、大熊町下野上大野98の1地内の大野病院(県有地)に公園(町有地)を合わせた約3万3000平方bを選定。同地は農地が多く住宅が少ないといった拡張可能性(用地取得)を選定理由としている。
 施設については、大野病院が有する150床から250床前後(開院時は100床前後を運用)に増床とし、同病院の大規模修繕も想定していたが設備の劣化や、施設の狭小さ、コスト面などから新築とした。想定診療科は20科とし、地域ニーズに対応した医療や地域包括ケアシステム、救急医療などの機能を備える。

 提供:建設新聞社