トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設経済新聞社
2023/09/01

【京都】京都芸大移転後の沓掛キャンパス跡地 売却又は定期借地で活用事業者公募 都市計画提案制度の活用も可

 京都市は、今年10月に京都駅東側の崇仁地区に移転する京都市立芸術大学について、移転後の沓掛キャンパス跡地を取得して活用又は定期借地で活用する事業者を公募する。9月下旬にも募集要項を配布する予定。
 市は8月31日、第1回京都市立芸術大学移転後跡地に係る優先交渉事業者選定委員会(委員長・田光雄京都美術工芸大学副学長、京都大学名誉教授)を開催し、募集要項案を審査した。
 優先交渉事業者は公募型プロポーザル方式(総合評価方式)で選定する。価格及び土地活用案の内容を総合的に審査する。土地は売却又は定期借地契約とし、定期借地は貸付期間が50年以上80年以内とする。
 土地活用の提案と併せて、現行の都市計画条件に捉われない提案を可能とし、この場合、活用計画案の実現に向けて必要となる都市計画変更の内容についても、都市計画提案制度を活用し、提案を受けることとする。
 ただし、現行の都市計画条件に捉われない提案を可能とする項目は、以下に限る(▽用途地域(現行は第一種中高層住居専用地域)▽建築物の容積率の最高限度(現行は200%)▽建築物の高さの最高限度(現行は20m第一種高度地区))。
 都市計画提案制度の提案を行う場合は、併せて地区計画の提案を行うことを必須とする。用途地域は商業地域、工業地域、工業専用地域への変更は提案できないものとする。容積率の最高限度の提案は300%を限度とする(地区計画(高度利用型地区計画)を活用)。建築物の高さの最高限度の提案は31mを限度とする(地区計画(高度利用型地区計画)を活用)。
 活用条件は、(ア)洛西地域・西京区への新たな人の呼び込みと賑わいの創出、地域の活性化への貢献、(イ)地域のポテンシャルを活かした「しごと」の創出への貢献、(ウ)地域のまちづくりに対する独自提案、(エ)周辺環境との調和、(オ)SDGsや市民の豊かさにつながる都市の成長への貢献(▽脱炭素社会に向けた取組▽共生社会の実現に向けた取組▽市内事業者との連携▽地域産木材の利用▽「都市の成長戦略」に資する取組)。
 プロポの主な申込資格は、▽活用条件に示す事業を実施する意思がある法人(複数の法人が共同で申し込むことも可)等。
 都市計画提案に係る主な資格は、都市計画法第21条の2第2項に規定する法人(特定非営利活動法人、一般社団法人もしくは一般財団法人その他の営利を目的としない法人、都市再生機構、地方住宅供給公社もしくはまちづくりの推進に関し経験と知識を有するものとして国土交通省令で定める団体)。

審査は市と選定委の2段階

 審査は事務局(京都市行財政局資産イノベーション推進室及び都市計画部門)と選定委の2段階で行う。
 事務局は、応募資格を満たしているか、必要事項が記入できているか及び都市計画提案の内容について審査する。
 事務局の審査を通過した申込事業者から提出された書類をもとに、選定委で審査項目及び審査基準に基づいて活用計画の審査を行う。プレゼンテーション審査及びヒアリングを行う。
 第1回優先交渉事業者選定委では、参考価格(最低提案価格)、審査項目及び審査基準について、非公開で審査した。なお参考価格は、幅広い用途への活用が可能となる準工業地域へ用途地域が変更された場合を想定し、不動産鑑定評価に準じて不動産鑑定士が算出した。この価格は既存構造物の除去費用等は考慮しているが、土壌汚染対策費用は考慮していない。
 今後の予定スケジュールによると、9月下旬に募集要項を配布。10月10日(第1回)、11月2日(第2回)に現地見学会を開催する(要申込)。
 応募書類の受付は令和6年1月15日〜1月31日。活用計画、都市計画提案(都市計画の変更を伴う場合)、事務局による審査は2月上旬〜3月中旬、選定委による提案内容の審査は3月を予定。優先交渉事業者の決定は3月下旬〜4月頃を目指す。
 その後、市との協議や地元調整を踏まえ、7月頃に基本協定を締結。都市計画手続き(都市計画の変更を伴う場合)を経て、令和7年以降に契約締結、土地の引き渡しを見込む。
 事業予定者が活用計画の提案と併せて都市計画の提案を行っていた場合は、基本協定の締結後、事業予定者の都市計画提案をもとに、市と事業予定者が協議を行い、周辺環境への影響等の観点を踏まえて内容を精査し、提出された素案の変更・修正を行った上で、都市計画の見直し案を作成する。当該見直し案に基づき、都市計画の見直しを行う。
 都市計画見直しは、変更案の縦覧や意見書の受付、説明会の実施など、必要な手続きを行った上で、都市計画審議会の議決を経る必要がある。
 京都縦貫自動車道沓掛インターチェンジから東方へ約750nに位置する京都芸大の沓掛キャンパスは、京都市西京区大枝沓掛町13−6で敷地面積は6万8601u(公簿。実測は6万8601・13u)。既存建物は校舎、倉庫、講堂、体育館、部室、学生会館、機械室、倉庫・機械室、作業所、守衛所、車庫、休憩所、シャワー室等で計40施設の合計延3万3893・67u。
 プロポの担当は京都市行財政局資産イノベーション推進室(рO75−222−3284)。