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北陸工業新聞社
2023/09/01

【富山】「現場ではコミュ力が大切」/南砺福野高生招き見学会/県建設業協会

 富山県建設業協会は8月30日、南砺市内で南砺福野高校農業環境科の生徒を対象とした「建設現場見学会」を開催した。
 この日は1年生27人(男子11人、女子16人)、建設業に就職を希望している3年生2人(ともに男子)が参加。東海北陸自動車道4車線化事業城端トンネル工事と、利賀ダム建設事業関連工事の2カ所を見て回った。
 城端トンネル工事の現場では、ネクスコ中日本金沢支社富山高速道路事務所東海北陸道4車線化推進室の吉枝護副所長が4車線化事業の概要を説明。引き続き、大成建設の鈴木修現場代理人がトンネル工事の概要について「供用しながらの施工となるため、緊急時の利用者退避経路や緊急車両の通行経路を確保しながら工事を進めている」と現場の特徴を解説し、ICT施工としてフルオートドリルジャンボを用いた自動削孔などを取り上げ、効率化や省人化、環境対策に取り組んでいることを紹介した。また、質疑では、「どんな仕事であれ、新人は分からないことだらけ。現場の中で学んでほしい。今の時代は、会社は意見を聞いてくれるし、やさしく教えてくれる」、「専門性が高い仕事で、自分たちで一から造ることがやりがい。大きな現場では100人単位が動く、体力のイメージがあるかもしれないが、コミュニケーション能力がとても大切だ」、「AIやロボットなど技術の進化が著しい。高校の間は測量の知識を高めてほしい」などと生徒に順にアドバイスした。
 南砺福野高校のOBであるネクスコ中日本金沢支社富山高速道路事務所の今井巧工務担当課長は、「今日は女性が多いが、最近は土木でも女性が躍進している。男性目線では感じられないアイデアを頂くこともある」と語り、「県外、全国で働きたいなら、物流を支えるやりがいがある、ネクスコにチャレンジしてほしい」とアピールした。
 参加した3年生の山下太嘉君は「ものづくりが好きなので、仕事の実感が湧いた。年齢に関係なく、みなさん話しやすかったので、不安が減った」と感想を話した。
 城端トンネル工事は、同トンネルの避難用連絡抗を拡幅して上り線を構築する山岳トンネル工事。掘削延長は3221メートル。工期は2027年8月まで。
 この後、利賀ダムの現場に移動し、利賀市民センターで事業の説明を受け、利賀ダム転流工事(施工=前田建設工業)と北豆谷地区進入路その2工事(同=中越興業)の現場を見学した。
 協会では、社会資本整備の必要性や建設業の魅力を認識してもらうことで、若手の人材確保につなげようと建設関係学科生徒を対象に現場見学会を継続しており、今年度は南砺福野高校を皮切りに、22日に高岡工芸高校(土木環境科)、10月25日に富山工業高校(建築工学科)、11月2日に桜井高校(土木科)、同月7日に高岡工芸高校(建築科)、同月17日に富山工業高校(土木工学科)を対象に開催を予定する。

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