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日本工業経済新聞社(群馬)
2023/09/12

【群馬】県9月補正予算案


山本一太知事は12日、20日に開会を迎える定例議会へ上程する補正予算案を明らかにした。補助公共事業費として65億4096万7000円を増額。新規事業には、利根川新橋(赤岩)の事業化に向けた測量調査や、デジタル新技術を活用した橋りょう床版の劣化調査などを盛り込んだ。記者会見で山本知事は「あらゆる分野で群馬県の強みをいかした独自の群馬モデルを発案、実行していきたい」と心境を述べた。
山本知事は今回の補正予算案について「総合計画の加速化に向けた未来への投資となる事業とともに、県民の暮らしを守るために必要な対策にもバランスをとった予算案になった」と評価。2期目の再選後、初の予算編成となった今回を含め「攻めの4年間にしたい」と意気込みを語った。
補助公共事業費は、国庫事業の内示を受け増額。県土整備プランに掲げた災害レジリエンスbPの実現に向け11億6392万3000円を追加するほか、持続可能で効率的なメンテナンスに10億9722万1000円、多様な移動手段の確保に41億4177万3000円を確保する。
新規事業として着手する利根川新橋事業は、県と埼玉県で国道407号の刀水橋から県道足利邑楽行田線にある武蔵大橋の約10・2qの区域で検討しているもの。ぐんま・県土整備プラン2020では、県道熊谷館林線バイパス整備として着手に向けて検討する事業として位置付けていた。渡河部測量および地質調査費として、県と埼玉県でそれぞれ1400万を負担した合計2800万円を計上。また、アクセス道路部の測量調査へ1500万円を盛り込む。具体的な工事着手時期は決定していないものの、補正予算成立後、早期に地質調査および地形図測量に着手したいとしている。来年度以降には、道路の予備設計などに着手し、都市計画決定など手続きへ移行する。山本知事は「新橋の整備は大きな経済効果につながる。必ず最後までやり遂げたい」と意気込みを語った。
デジタル新技術を活用した橋りょうの床版劣化調査には9700万円を確保。2021年9月に赤城根橋(沼田市)の床版抜け落ち事故を受け実施するもの。調査では、赤城根橋と同様の設計基準で建設された橋りょうの床版について、デジタル新技術を活用し効率的に調査を進める。県が管理する約3600橋りょうのうち280橋りょうが対象。電磁波法を用いた非破壊調査を実施し、調査画像のデジタルデータ化や劣化程度判定を行う。
このほか、県庁舎7階にある危機管理センター整備として実施設計へ1512万5000円を計上。同センター本部室の拡張および職員の宿直環境の改善を図るため、基本計画に基づき実施設計を作成する。工事内容はセンターの床面積を120uから230uへ拡張。古くなった機器を更新しデジタル化を行う。また、女性職員の宿直対応に向けて、男女別宿直室などを整備する。設計は年度内に完成させ、24年度には工事を発注したい考え。
建設関連ではこのほか◇クリエイティブシティ推進=3100万円◇県立学校ICT環境整備=2250万9000円◇昆虫観察館等維持整備=2093万6000円◇上信越高原国立公園施設整備=2000万円◇通学路の除草、河川伐木除草=1億円◇交通安全施設整備=5000万円−などを盛り込む。
一般会計補正予算案は323億6776万円を計上。総額で8263億8017万8000円となる。このうち、公共事業費は67億9096万7000円。内訳は補助公共65億4096万7000円、単独公共2億5000万円となっている。