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北陸工業新聞社
2023/09/26

【富山】セブンプライド/児童・生徒がアイデアを発表/水橋学園の設計でワークショップ

 富山市がPFIで整備する「(仮称)水橋地区義務教育学校整備事業」のSPC(特別目的会社)であるセブンプライド(株)(代表取締役・山田仁史日本海建興社長)は24日、同市水橋辻ヶ堂の水橋会館で、事業の基本設計ワークショップ「こんな水橋学園になったらいいな!!〜水橋の新しい学校をみんなで考えよう〜」を開催した。
 事業は水橋地区の少子化に伴い、既存の小学校5校と中学校2校を統合し、旧水橋高校の跡地(敷地面積5万2983平方メートル)に、同市初の小・中一貫校「富山市立義務教育学校 水橋学園」を整備するもの。
 ワークショップは学園の整備にあたり、水橋地区の小・中学生の夢、希望を設計に取り入れようと実施。事前ワークとして今月11日から22日には、セブンプライドの担当者が各校を訪問し、ワークショップの趣旨や水橋学園の設計構想を説明。各校の児童と生徒は説明を踏まえ、(1)まなびの空間(2)であいの空間(3)あそびの空間(4)つどいの空間(5)そとの空間−の5つのテーマに分かれたパネルに、それぞれ付せんでアイデアを貼った。
 ワークショップではこれを基に、各校代表者が一堂に会して協議。アイデアを集約する作業に取り組んだ。午前中は小学生5校から4〜6年生の27人、午後からは中学校2校から1〜3年生の30人が参加した。
 このうち、小学生のワークショップではまず、日本海建興の野上俊光取締役水橋学園整備事業総括が開会を宣言。司会は三四五建築研究所の淺井純平氏が務め、スタッフ紹介とワークショップの内容、スケジュールを説明した。続いて、淺井氏が水橋学園の設計コンセプトを映像を交え紹介後、5つのテーマに分かれ、グループごとのワークショップに移った。
 各グループでは担当テーマについて、ファシリテーターである設計担当者の助言を受けながら、パネルにあるアイデア(付せん)に関し、話し合い集約。最後にグループごとにまとめたアイデアを発表した。
 各テーマのアイデアでは、(1)のまなびで▽誰でも書ける黒板▽ごほうびがもらえる売店▽みんなが使えるマッサージ機−、(2)のであいで▽図書室に座り心地の良いイス▽秘密の抜け道▽夏は冷たい水、冬は温かいお湯が出てほしい−、(3)のあそびで▽調べ物をするため、図書室にインターネットをつなげてほしい▽色々な場所にソファー▽防音室▽コンビニ−(4)のつどいで▽映画、ユーチューブが見れる巨大スクリーン▽ドリンクバー−(5)のそとで、▽噴水▽屋根のあるベンチ▽安全で自由に行き来できる良い景色が見れる屋上−といった意見が出された。
 閉会あいさつで日本海建興の野上氏は、「大人の発想では出てこないアイデアもあった。皆さんの協力に感謝したい」と述べた。今後、今回出されたアイデアを設計に反映し、10月末には各校などに報告する。
 なお、セブンプライドは統合される7校の伝統、誇りなどを継承しようと命名。代表企業は日本海建興、構成企業が三四五建築研究所、福見建築設計事務所、石坂建設、近藤建設、富山総合ビルセンター。
 新たな水橋学園の建設規模は、RC造一部S造3階建て延べ約2万平方メートル。9月末までに基本設計を終え、10月から実施設計に着手。11月からは既存施設の解体工事に入る。24年4月中旬から本体工事に取り掛かり、26年1月の完成を予定している。開校は2026(令和8)年4月を目指している。市に施設を引き渡した後、同社が15年間にわたり施設の維持管理を担う。総事業費は約90億円。

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