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建設経済新聞社
2023/10/11

【京都】伏見工業高校跡地等活用の優先交渉事業者 阪急阪神不動産、京阪電鉄不動産、積水ハウスの3社グループに決定 全549世帯の大規模住宅街区開発

 京都市は10日、伏見工業高等学校跡地及び元南部配水管理課用地の活用に係る優先交渉事業者について、阪急阪神不動産梶i大阪市北区)を代表事業者とし、京阪電鉄不動産梶i大阪市中央区)と積水ハウス梶i大阪市北区)を構成員とする3社から成るグループを選定したと発表した。
 当該市有地を活用する優先交渉事業者の選定は、公募型プロポーザル方式(総合評価)で実施。応募事業者は1事業者のみ。
 売却価格及び土地活用案の内容を総合的に審査(プレゼンテーション及びヒアリング)した結果、応募事業者を優先交渉事業者として選定した。
 買受希望価格は、市が設定した予定価格(最低売却価格)と同額の18億1000万円。評価点は110・8点(150点満点)。
 優先交渉事業者の主な提案内容によると、▽学生・シングルからファミリーまで、全549世帯、約1600人規模となる多世代共生型の大規模住宅街区を開発▽エネルギー収支がゼロとなるZEH(ゼッチ)仕様導入等による街区全体の住宅の省エネ化と、太陽光発電設備の最大導入、EV活用を含めた蓄電池の導入や、昼間の余剰電力を街区内に夜間の再エネ証書付き電力として再販するエネルギーマネジメントにより、自家消費・地産地消型の次世代脱炭素街区を創出▽開発公園と地域貢献施設が一体となった、地域住民やNPO、活動団体、企業等が共創できる場を創出するとともに、屋内外に様々なコミュニティスペースを配置し、賑わいと交流を創出▽地域団体等のソーシャルグッドな活動を応援する仕組みを構築し、地域を支え、活力を生み出す持続可能なタウンマネジメントを実現。

ZEHの分譲マンション、戸建て住宅
商業施設、学生・社会人寮も


 街区にはファミリー分譲マンション7階・228戸(NearlyZEH−M)、コンパクト分譲マンション7階・82戸(ZEH−MOriented)、戸建住宅125戸(次世代ZEH+)、地域貢献施設(1階は商業施設(地域密着型店舗想定)、コワーキングスペース、地域交流スペース、地域開放交流ラウンジ兼食堂、2〜5階は学生・社会人寮114室(ZEBReady・ZEH−MOriented))のほか、コミュニティスペース(木造共用棟・広場)、コミュニティスペース(共同菜園等)、防災拠点機能を持った開発公園、水と緑のプロムナード(遊歩道)を整備する。
 優先交渉事業者選定委の主な評価、意見等は、▽応募事業者の培ってきた経験を活かし、新たな環境共生型住宅地を創るとともに、地域や大学、地元事業者などのプレーヤーと連携した、新たな循環型社会のまちや暮らし、社会のあり方などが示されており、評価できる▽脱炭素先行地域の取組として、脱炭素の取組に加えて、安心・安全、地域コミュニティの活性化、若者・子育て世代の定住促進、暮らしの質の向上、賑わいの創出など多岐に渡る募集要項の内容も満たした活用計画となっている▽若者子育て世代はもとより、子どもや高齢者、障害のある方などあらゆる方が交流し、地域の文化、歴史を学び、誇りを持つことができる、多様で包摂性のあるまちづくりに取り組んでほしい▽エネルギーマネジメントは、提案内容の確実な実現とともに、再エネの地産地消の拡大に向けて、更なる太陽光発電設備及び蓄電池の導入をはじめ、先進性のあるエネルギーマネジメントの追加検討など一層の工夫を期待する▽地域貢献施設や公園などのコミュニティスペースは、新たに住まう街区住民のみならず、周辺住民にとっても使いやすく、相互交流が進む場とし、またタウンマネジメントは、周辺住民や地域のこれまでの取組とも調和を図り、地域一帯で豊かなまちづくりにつながるよう、応募事業者が核となり、地域に根差した持続可能な仕組みの構築に取り組んでほしい▽周辺道路が狭隘である地域であるため、工事期間中及び街区形成後の車両通行にあたっては、現在の周辺道路の状況を適切に把握し、地域・行政と丁寧に話し合いながら、安全に配慮された対応をしてほしい。
 対象の伏見工業高校跡地及び元南部配水管理課用地(伏見区深草六反田町5−1ほか)は、敷地面積が4万0379・09u(伏見工業高校跡地約3万4205u、元南部配水管理課用地約6175u)。用途地域は第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)。高度地区は20m第2種高度地区。
 当該市有地の登記建物は、伏見工業高校跡地に校舎、倉庫等計27棟、延1万6953・15u、元南部配水管理課用地に事務所、倉庫計5棟、延1900・77uの合計1万8853・92u。伏見工業高校跡地の土地の売買契約は、市会の議決を経て財産処分を行う必要がある。
 なお当該市有地の既存構造物の一部が、隣接する京都奏和高等学校グラウンド整備予定地に越境していることから、グラウンド整備予定地の既存構造物の撤去及びこれに伴う土壌汚染対策について、市有地の活用計画の実施と併せて市有地の引渡しを受ける事業者が実施する。この撤去等に要した経費は合理的な範囲内で市が負担する。
 今後は11月末頃に基本協定の締結を行い、令和6年以降に市有財産売却に係る議案を市会に提出し、承認後に売買契約の締結、引き渡しとなる。
 担当は、全体及び市有地(伏見工業高校跡地)に関するものが京都市教育委員会事務局教育環境整備室、市有地(元南部配水管理課用地)に関するものが京都市上下水道局経営戦略室、脱炭素先行地域に関するものが京都市環境政策局地球温暖化対策室。