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建設新聞社
2023/10/23

【東北・山形】山形市が七日町再開発事業の素案公表

 山形市まちづくり政策部は、旧大沼を含む七日町エリア一帯の再開発に伴う「七日町賑わい創出拠点整備基本方針」の素案を示した。基本方針の策定支援業務はアール・アイ・エーが担当しており、本年度末までに同方針を策定する。
 今後のスケジュールは、地権者や国との調整を図りながら事業を推進するため流動的となるが、2024年度から27年度ごろまで基本構想および基本計画の策定と都市計画の決定手続きを進める。
 その後、28年度から29年度ごろにかけて再開発組合などを設立し、権利変換計画の認可を経て、解体および施設本体工事に進んでいく予定。
 同市七日町1丁目地内の百貨店・大沼本店は、20年1月に自己破産し、建物は競売により市の外郭団体である山形市都市振興公社が取得した。しかし、電気や空調設備の老朽化が著しく修繕費用が高額となる見込みから、解体する方針を固めている。
 同市は、旧大沼本店および改築を計画している市立病院済生館、az七日町ビルや横田ビルなど周辺ビルを含めた一帯の七日町1丁目エリアを中心市街地活性化の核となる区域に位置付け、にぎわい創出拠点施設の整備を含む公民連携による再開発を計画している。21年度末にサウンディング調査を実施し、クリニックやデイケアなどの医療・介護機能、スポーツジムなどの健康増進機能、カフェやショップなど商業機能、分譲・賃貸住宅などの居住機能などのアイデアが出された。
 整備基本方針の素案では、▽にぎわいを産む商業施設やビジネス環境の充実、多世代が学び過ごせる機能など「住みやすいまち」▽済生館の建て替えをはじめ、クリニックやヘルスケアなど医療や健康機能の充実などを図る「安心して暮らせるまち」▽自由な休憩スペースや広場の設置検討やビジネスおよび観光拠点の滞在拠点となる「居心地のよいまち」―の3つのまちづくりにおける方針を掲げており、地権者らと協議を進めながら具体的な整備機能を決定していく。
 全国で進められた先進的な再開発事例を見ると、富山市の中心商業地である総曲輪地区で新たな商業・にぎわい拠点を創出した「総曲輪通り南地区第一種市街地再開発事業(総曲輪フェリオ)」、福井市のJR福井駅の西側に質の高い住宅や魅力ある商業施設を整備した「福井駅西口中央地区第一種市街地再開発事業(ハピリン)」などがある。

 提供:建設新聞社