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北海道建設新聞社
2023/11/07

【北海道】23年度補正案にラピダス関連インフラ整備費/経産省が調整

 経済産業省が、ラピダス(本社・東京)の次世代半導体工場(千歳)のインフラ整備に関し、現在編成中の2023年度補正予算案に関連経費を盛り込む方向で調整していることが複数の関係者への取材で分かった。
 政府は2日に総合経済対策を閣議決定。次世代半導体など、成長産業の国内生産拠点建設に際し、工業用水などのインフラ整備を支援する方針を掲げた。11月中にも裏付けとなる補正予算案を編成する。
 道によると、水源となる安平川(苫小牧)から工場が立地する千歳美々ワールドに工業用水を供給するためには、約22qの送水管や送水ポンプ場の整備などに170億−200億円の経費がかかると試算している。
 工場で量産が始まる27年3月までの完成を目指していて、2カ年の工期を含め事業期間は約3カ年を見込む。逆算すると24年中の着工が必須となる。
 経産省はラピダスへの追加支援について「精査中」としているが、インフラ整備などの関連経費を補正予算案に盛り込み、年内の成立を目指す方針とみられる。
 ラピダスの工水整備を巡っては、鈴木直道知事が「ラピダスとの協議のほか、国に対してあらゆる機会を捉えて財政支援を求める」と述べていた。
 また、今回の経済対策には、半導体工場などの立地に際し、年内をめどに市街化調整区域の開発許可手続きを緩和することや、農地の産業用地への転用手続きの短縮なども盛り込まれた。
 岸田文雄首相は2日の記者会見で、総合経済対策について「鍵を握るのは賃上げと投資だ」と強調。対策を突破口に、コロナ禍から回復途上にある日本経済を成長軌道に乗せると表明した。経済対策は、半導体や宇宙など国内投資促進を含め5本柱となる。
 財源の裏付けとなる23年度補正予算案の一般会計追加額は13兆1000億円。このうち、成長産業の国内投資促進には約4兆7000億円を計上する見込み。
 内閣府は複数年度にわたる経済対策の経済効果について「実質国内総生産(GDP)を19兆円程度押し上げ、消費者物価を1%程度引き下げる」と説明した。