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建通新聞社(静岡)
2023/11/20

【静岡】入札参加資格審査 応急復旧の工事実績加点

 静岡県は、災害応急工事の工事実績を建設工事入札参加資格審査(定期)の評価対象に追加し、災害応急工事の実績のある有資格者の総合点数に加点する。11月10日以降、県の出動要請に応じて災害応急工事に出動した有資格者は、次回の2025・26年度建設工事入札参加資格審査の定期申請の際、工事実績を加点して格付けを決める。
 県の入札参加資格審査では、災害協定を結んでいたり、災害応急工事に活用できる建機を保有(長期リース含む)していると総合評点の加点対象になる。
 ただ、県の土木事務所などと災害協定を結んだ企業が、災害発生時に県の要請を受けて災害応急工事を施工しても、災害応急工事は工事成績評定の対象外であるため、入札参加資格審査の工事実績としても評価されていなかった。
 昨年9月の台風15号、今年6月の台風2号でも、県内の多くの建設業が県の要請に応じて災害応急工事を施工したが、これらの工事実績は各社の格付けには反映されない。台風15号での県の出動要請は181件に上ったという。
 県は、自然災害が激甚化・頻発化する中で、今後も県内で災害が発生し、災害協定を結んだ企業に出動を要請する機会が増える可能性があるため、出動した企業に対する新たなインセンティブを設ける。
 加点対象となるのは、格付けのある「土木一式」「建築一式」「電気」「管」の4業種。この4業種で格付けを決めるための総合点数の評価対象である「工事成績等による評点(D1)」で、県の出動要請があった応急復旧工事の実績を評価する。
 加算点は、災害応急工事の請負件数や金額に応じて総合評点が高くなるようにする。応急仮工事(堤防決壊の拡大防止措置、迂回路の確保、仮橋の設置など)のうち、500万円未満の工事は1件当たり80点を加算。500万円以上の場合は「(81点−65点)×請負代金額/100万円」の算定式で加算点を決める。
 被災した施設の復旧工事の全て・一部を施工する応急本工事も1件当たりの工事に一律80点を加算する。
 応急復旧工事の実績は、県が「建設事務総合システム」に登録するため、企業が申請する必要はなく、県が資格審査時に加算する。